理系就活を進めていると、「今のやり方で本当に大丈夫なのだろうか」と迷うことがあります。
説明会には参加している。
インターンにも応募している。
ESも何社か提出している。
それでも企業候補がまとまらなかったり、選考が思うように進まなかったりすると、さらに行動を増やしたくなるかもしれません。
ただ、就活では「何をするか」だけでなく、「何をやめるか」を考えたほうがよい場面もあります。
たとえば、
有名企業だからという理由だけで応募する。
企業ごとにESをゼロから作る。
面接回答を一字一句覚える。
不合格のあと、何も変えずに応募数だけを増やす。
こうした行動は、最初から間違っているようには見えません。
むしろ、就活を真面目に進めようとする中で、いつの間にかやってしまうものです。
問題になるのは、そのまま続けた結果、企業選びや選考準備が進みにくくなることです。
この記事では、理系就活で避けたい行動を10個取り上げます。
単に「やってはいけない」と指摘するのではなく、なぜ問題になりやすいのか、その代わりにどう動けばよいのかまで整理します。
自分がつまずきやすい原因から確認したい場合は、先に理系就活で失敗する人の特徴を読んでおくと、どの行動を優先して直せばよいか考えやすくなります。
この記事でわかること
- 理系就活で避けたい10の行動
- それぞれが失敗につながりやすい理由
- NG行動の代わりに何をすればよいか
- 複数当てはまる場合に、どこから直すか
NG行動は10個すべて直す必要はない
「NG行動10選」と聞くと、すべて避けなければいけないように感じるかもしれません。
ただ、一度に10個すべてを見直す必要はありません。
応募先を決められない人と、ESは通るものの面接で詰まっている人では、先に直したい部分が違います。
この記事を読むときは、
自分に当てはまるものはどれか
今の就活に一番影響しているものはどれか
という視点で見てみてください。
まず一つ変えるだけでも、就活の進め方は少しずつ変わっていきます。
NG行動1:知名度だけで応募先を決める
就活を始めたばかりのころは、名前を知っている企業から見る人が多いと思います。
大手メーカー。
有名IT企業。
人気ランキングに載っている会社。
先輩や友人が受けている企業。
最初の入口として、有名企業を見ること自体は問題ありません。
避けたいのは、知名度だけを理由に応募先を決めることです。
「知っている企業」と「自分に合う企業」は、必ずしも同じではありません。
理系学生が働ける企業には、完成品を作る有名メーカーだけでなく、部品、素材、計測機器、製造装置などを扱うBtoB企業もあります。
有名企業だけを見ていると、自分の希望する職種や働き方に合う会社を見落とすことがあります。
また、人気企業だけに候補を絞ると、不合格になったあとに次の選択肢が見えにくくなります。
企業を見るときは、名前だけでなく、
- 希望する職種があるか
- 興味を持てる技術や製品があるか
- 配属や勤務地が希望と合いそうか
- 同じ業界にほかの選択肢がないか
まで見ておくと、候補の広げ方が変わります。
自動車メーカーを見たら、部品メーカーや素材メーカーまで広げる。
電機メーカーを見たら、電子部品や製造装置の企業も調べる。
「名前を知っているから受ける」ではなく、「自分に合いそうな理由があるから受ける」という状態を目指します。
企業候補を広げたい場合は、理系におすすめの企業30社|メーカーを技術分野別に紹介も参考になります。
NG行動2:企業選びの基準を決めずにエントリー数を増やす
企業候補を広げても、どの会社を残すか決める基準がなければ、応募先はなかなか整理できません。
応募先が少ないと不安になり、気になる企業へ次々とエントリーしたくなることもあると思います。
ただ、基準がないまま数だけ増やすと、企業ごとの準備が薄くなりやすいです。
大手だから受ける。
安定していそうだから受ける。
周囲が受けているから自分も受ける。
締切が近いので、とりあえず提出する。
この進め方では、選考が始まったときに「なぜこの企業なのか」を説明しにくくなります。
複数社から内定が出た場合も、何を基準に選べばよいか分からなくなりがちです。
最初から完璧な企業選びの軸を作る必要はありません。
まずは、
- 勤務地
- 仕事内容
- 配属
- 働き方
- 専門性とのつながり
などから、重視したい条件を3つほど書き出してみます。
その企業が条件をすべて満たしていなくても構いません。
「勤務地は希望と少し違うが、仕事内容に興味があるので候補に残す」と説明できれば、そこには自分なりの判断があります。
エントリー数を増やす前に、その企業を候補へ入れる理由を一行で書いてみると、応募先を整理しやすくなります。
企業選びの考え方は、理系の企業選びの基準で詳しく整理しています。
NG行動3:インターンの参加数だけを増やす
周囲が複数のインターンに参加していると、「自分もできるだけ多く行ったほうがよいのでは」と感じることがあります。
インターンは、企業や職種を知る機会になります。
早期選考につながる場合もあるため、参加すること自体には意味があります。
ただ、参加数だけを増やしても、企業選びが進むとは限りません。
参加して満足する。
終了後に何も記録しない。
次の応募に追われて、振り返る時間を取らない。
この状態では、インターンで得た情報が、その後の判断に残りにくくなります。
参加後には、次の3つだけでも記録しておくとよいでしょう。
- 魅力を感じた点
- 自分には合わないと感じた点
- まだ分からないので確認したい点
志望度が下がった場合も、一つの成果です。
「この働き方は自分には合わない」と分かれば、その後の企業選びに活かせます。
何社参加したかより、参加後に自分の判断がどう変わったかを見ていくほうが、インターンを就活につなげやすくなります。
NG行動4:自己分析を後回しにする、または診断だけで終える
自己分析は時間がかかりそうなので、企業研究やインターン応募を先に進めたくなることがあります。
反対に、診断ツールを使って、
「自分は分析力がある」
「粘り強い性格だ」
「協調性が強みらしい」
と分かったことで、自己分析を終えたつもりになる人もいます。
どちらの場合も、企業選びやESで使える材料は、まだ十分に整理されていません。
自己分析は、自分の性格に名前を付けるだけの作業ではありません。
何を重視して企業を選ぶのか。
どのような環境で力を発揮しやすいのか。
どの経験を自分の強みとして使うのか。
こうしたことを考えるために使います。
「粘り強い」と感じるなら、どの経験からそう考えたのかまで振り返ります。
研究が思うように進まなかったとき、何を工夫したのか。
アルバイトで問題が起きたとき、どのように動いたのか。
まずは、
- うまくいった経験
- 苦労した経験
- 続けられた経験
を一つずつ出すところからでも構いません。
性格を表す言葉と、その根拠となる経験がつながると、ESや面接でも説明しやすくなります。
詳しい進め方は、理系の自己分析完全ガイドで確認できます。
NG行動5:研究内容を専門用語のまま伝える
理系学生にとって、研究経験は選考で使いやすい材料です。
ただ、研究内容を詳しく説明すれば、それだけで評価されるとは限りません。
研究室で使っている専門用語や細かな実験条件をそのまま話すと、面接官に内容が伝わりにくくなることがあります。
本人は丁寧に説明しているつもりでも、
何が課題だったのか。
自分が何を工夫したのか。
その経験から、どのような強みが見えるのか。
といった部分が隠れてしまいます。
研究を伝えるときは、「研究内容」と「自分の行動」を分けて考えると整理しやすくなります。
研究内容では、
- 何を調べているのか
- なぜその研究が必要なのか
- どのような方法で進めているのか
を、専門外の人にも分かる言葉で説明します。
自分の行動では、
- どのような課題があったのか
- 何に違和感を持ったのか
- どのように原因を考えたのか
- 何を工夫したのか
を伝えます。
研究テーマの難しさだけでなく、その中で自分がどう考え、どう動いたかが見えると、研究経験から強みも伝わりやすくなります。
NG行動6:ESを企業ごとに毎回ゼロから作る
ESは、企業ごとに内容を調整する必要があります。
ただし、自己PRやガクチカまで毎回ゼロから作り直すと、時間がかかるだけでなく、内容の一貫性も崩れやすくなります。
企業Aでは協調性。
企業Bでは分析力。
企業Cでは粘り強さ。
それぞれに根拠となる経験があれば問題ありません。
ただ、企業に合わせようとして人物像まで変えてしまうと、面接で説明しにくくなります。
ESは、企業ごとに別の自分を作るものではありません。
まずは、
- 自己PRの基本素材
- ガクチカの基本素材
- 研究経験の説明
- 企業選びで重視していること
を用意します。
そのうえで、企業が知りたい部分に合わせて重点を調整します。
たとえば、同じ研究経験でも、個人での課題解決を重視する企業には工夫を詳しく伝え、チームでの開発を重視する企業には周囲との連携を厚く説明できます。
事実や強みを変えるのではなく、どこを詳しく伝えるかを変えるイメージです。
ベースとなる材料を持っておけば、ES作成の負担を抑えながら、面接でも一貫した説明がしやすくなります。
NG行動7:企業サイトの言葉をつなげて志望動機を作る
志望動機が思いつかないときは、企業の採用サイトを読み込むことになります。
理念。
技術力。
社会貢献。
グローバル展開。
挑戦できる環境。
こうした情報を見ること自体は、企業研究として必要です。
ただ、企業サイトの言葉をつなげるだけでは、自分がその企業を選んだ理由が見えません。
「企業理念に共感しました」
「高い技術力に魅力を感じました」
という文章だけでは、似た内容をほかの企業にも使えてしまいます。
志望動機で伝えたいのは、企業の魅力を並べた感想ではありません。
その企業のどこを見て、自分がなぜ候補に残したのかという判断です。
文章を書く前に、
- 自分が企業選びで重視していること
- その企業で実現できそうなこと
- 同業他社と比べて違うと感じた点
を考えてみます。
企業に合いそうなきれいな言葉を探すより、自分がなぜその企業を選んだのかを整理したほうが、面接でも説明しやすい志望動機になります。
NG行動8:面接対策を直前に始め、回答を丸暗記する
ESが通過してから、急いで面接対策を始める人も多いと思います。
本番まで時間がないと、よく聞かれる質問への回答を文章にし、そのまま覚えたくなります。
ただ、一字一句覚える方法では、質問が少し変わっただけで答えにくくなります。
深掘りされたときに、用意していない部分で詰まることもあります。
面接で見られるのは、準備した文章を正確に再現できるかどうかではありません。
質問を受け取り、自分の経験や考えを説明できるかどうかです。
回答を準備するときは、文章全体ではなく、
- 最初に伝える結論
- 根拠となる経験
- 必要に応じて話す具体例
を整理します。
この骨組みがあれば、質問のされ方に合わせて話せます。
また、面接対策はESを書いた段階から始められます。
提出した内容について、
- なぜその経験を選んだのか
- なぜその行動を取ったのか
- ほかに選択肢はなかったのか
- 仕事でどう活かせそうか
といった質問を考えておくと、面接直前に一から準備する必要がなくなります。
詳しい進め方は、理系面接対策の設計図で整理しています。
NG行動9:不合格のあと、振り返らずに応募数だけを増やす
選考に落ちると、「もっと多くの企業を受けなければ」と考えることがあります。
持ち駒を増やしたほうがよい場面もあります。
ただ、やり方を変えずに応募数だけを増やすと、同じところでつまずき続ける可能性があります。
ESが通らないのに、同じ構成で提出する。
面接で話が長くなるのに、練習せず次の本番を迎える。
志望動機の深掘りで詰まっても、企業名だけを変えて次へ進む。
これでは、応募先が増えるほど準備時間が分散してしまいます。
一方で、不合格の理由を正確に特定するのも簡単ではありません。
企業から理由を教えてもらえるとは限らず、応募者側には分からない事情もあります。
そのため、「この理由で落ちた」と断定する必要はありません。
次の選考で、何を一つ変えて試すかを考えます。
ESが通らないなら、結論や具体性を見直す。
面接で話が長くなったなら、回答を短くして声に出してみる。
志望度を伝えきれなかったと感じたなら、他社との違いを整理し直す。
一度に多くの部分を変えるより、一つずつ試したほうが、次の結果も振り返りやすくなります。
NG行動10:誰にも確認せず、一人だけで判断し続ける
自分の就職先を決める以上、自分で考える時間は欠かせません。
ただ、一人だけで判断し続けると、自分では気づきにくいズレが残ることがあります。
企業候補が有名企業に偏っている。
ESの説明が専門的すぎる。
志望動機が企業の説明だけになっている。
面接で話が長くなっている。
こうした点は、第三者に見てもらうことで初めて気づく場合があります。
相談は、正解を教えてもらうために行うものではありません。
自分の考えを相手に伝え、その内容がどう見えるかを確認するために使います。
何を重視するか、どの企業を受けるか、最終的にどこへ入社するかは、自分で決める部分です。
一方で、
- 企業候補が偏っていないか
- ESの内容が伝わるか
- 面接の回答が分かりやすいか
- 現在の進め方に無理がないか
は、第三者にも見てもらえます。
相談先には、大学のキャリアセンター、研究室の先輩、内定者、就活経験者などがあります。
企業候補を広げたい場合や、選考の進め方を個別に相談したい場合は、就活エージェントを補助として使う方法もあります。
ただし、紹介された企業をそのまま受けたり、判断をすべて任せたりする必要はありません。
エージェントを使うか迷っている場合は、就活エージェントは使うべきか?で、自分に必要かどうかを整理してみてください。
企業比較の項目をそろえる、ESの材料を整理する、面接の想定質問を作るといった作業には、AIも使えます。
ただし、企業選びや応募の最終判断まで任せるのではなく、自分で考える前の整理に使うのが基本です。
複数のNG行動に当てはまる場合は、一つだけ選んで直す
ここまで読んで、いくつも当てはまると感じた人もいると思います。
ただ、すべてを同時に直す必要はありません。
今、最も困っていることから優先順位を決めてみてください。
| 今の状態 | 先に見直したいNG行動 |
|---|---|
| 応募先を決められない | NG行動1・2 |
| インターンへ参加しても企業選びが進まない | NG行動3 |
| ESに書く内容が決まらない | NG行動4・5・6 |
| 志望動機が企業ごとに似てしまう | NG行動2・7 |
| 面接で詰まりやすい | NG行動5・8 |
| 不合格が続いている | NG行動9 |
| 何を直せばよいか分からない | NG行動10 |
応募先が定まっていない段階では、面接回答の細かな表現より、企業選びの基準を先に整理したほうが進めやすいと思います。
反対に、ESは通過しているものの面接で詰まるなら、企業選びを最初からやり直すより、回答の準備や伝え方を見直したほうがよいでしょう。
今やめる行動と、その代わりに始める行動を一つずつ決めれば十分です。
まとめ:やめる行動と、代わりに行うことを一つ決める
理系就活で避けたいNG行動は、次の10個です。
- 知名度だけで応募先を決める
- 企業選びの基準を決めずにエントリー数を増やす
- インターンの参加数だけを増やす
- 自己分析を後回しにする、または診断だけで終える
- 研究内容を専門用語のまま伝える
- ESを企業ごとに毎回ゼロから作る
- 企業サイトの言葉をつなげて志望動機を作る
- 面接対策を直前に始め、回答を丸暗記する
- 不合格のあと、振り返らずに応募数だけを増やす
- 誰にも確認せず、一人だけで判断し続ける
どれも、就活を進める中で一度はやりやすい行動です。
当てはまったからといって、就活全体を最初からやり直す必要はありません。
企業選びが曖昧なら、重視する条件を3つ書く。
インターンへ参加したら、感じたことを3つ残す。
面接回答を暗記しているなら、結論と経験だけを整理して声に出す。
不合格が続いているなら、次に変えることを一つ決める。
このように、今の行動を一つだけ別の行動へ置き換えていけば大丈夫です。
まずは、今の就活に最も影響しているものを一つ選び、そこから見直していきましょう。
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