「自己分析って、結局何をすればいいんだろう」
「過去を振り返れと言われても、どこまでやれば十分なのか分からない」
「やっているつもりだけど、企業選びや志望動機につながっている気がしない」
自己分析について調べ始めると、一度はこんな疑問を持つのではないでしょうか。
理系学生の場合は、
研究
授業
実験
レポート
インターン
なども並行して進んでいきます。
そのため、自己分析だけに何日も時間をかけるのは現実的ではありません。
とりあえず診断ツールを使ってみる。
自分史を書いてみる。
強みを探してみる。
そんなところから始める人も多いと思います。
ただ、途中で手が止まってしまうことも少なくありません。
それは考える力が足りないからではなく、
「何のために自己分析をするのか」
が少し曖昧なまま進めているからかもしれません。
理系就活ロードマップでは、自己分析を単なる自分探しとは考えていません。
実は、自己分析には大きく分けて二つの役割があります。
一つは、
自分がどんな仕事や働き方を選びたいのかを整理するための自己分析。
もう一つは、
自分がどんな人間なのかを企業へ伝えるための自己分析です。
似ているように見えますが、目的はかなり違います。
そして自己分析で迷いやすい人ほど、この二つが混ざった状態になっていることがあります。
この記事では、
まず自己分析の役割を整理しながら、
選考対策として何を整理するとよいのか
どこまでできれば十分なのか
を考えていきます。
最初から完璧を目指す必要はありません。
まずは、
就活で使える状態まで整理すること
を目標にしてみてください。
自己分析で止まってしまう人が多い理由
自己分析のゴールが見えにくいから
自己分析が難しく感じる理由の一つは、終わりが見えにくいことです。
企業研究なら、
企業を調べる
比較する
応募先を決める
という流れがあります。
一方で自己分析は、
過去を振り返る
価値観を整理する
強みを考える
といった作業が続きます。
そのため、
「どこまでやれば終わりなのか」
が見えにくくなりがちです。
もっと深掘りした方がいいのではないか。
まだ足りないのではないか。
そんなふうに考えてしまい、なかなか前へ進めなくなることがあります。
自分探しになってしまいやすいから
自己分析という言葉を聞くと、
本当にやりたいことを見つけなければいけない
自分の価値観を完全に理解しなければいけない
と思う人もいるかもしれません。
もちろん、それ自体は意味のあることです。
ただ、就活で必要になる自己分析は少し違います。
就活では、
自分の経験を説明できること
企業選びの判断材料を持てること
志望動機につなげられること
の方が大切になります。
そのため、
自分を深く理解することだけを目的にしてしまうと、かえって手が止まってしまうことがあります。
就活とのつながりが見えなくなるから
自己分析でよくあるのが、
過去の経験を書き出して終わる
強みを並べて終わる
という状態です。
もちろん、それ自体は無駄ではありません。
ただ、それだけでは企業選びや志望動機にはつながりにくいです。
たとえば、
「粘り強い」
という強みが見つかったとしても、
それがどんな仕事に向いていそうなのか
どんな環境が合いそうなのか
まで整理できていなければ、就活ではまだ使い切れていません。
自己分析は、
自分を理解するためだけの作業ではなく、
企業を選ぶための判断材料にもなり、
自分を伝えるための材料にもなります。
そのつながりが見えないまま進めると、
「結局何のためにやっているんだろう」
と感じてしまうことがあります。
理系就活ロードマップでは自己分析を2つに分けて考える
自己分析について調べていると、
強みを見つけよう
価値観を整理しよう
やりたいことを考えよう
過去の経験を振り返ろう
など、さまざまな話が出てきます。
どれも間違いではありません。
ただ、それぞれ整理しようとしているものが少し違います。
理系就活ロードマップでは、自己分析を一つの作業としては考えていません。
自己分析には大きく分けて二つの役割があると考えています。
一つは、
「どこへ向かうかを決めるための自己分析」
です。
もう一つは、
「自分を相手へ伝えるための自己分析」
です。
まずは、この違いから整理してみましょう。
方向性を決めるための自己分析
一つ目は、
企業選びや職種選びの前に行う自己分析です。
就活を始めると、
どの業界が良いのだろう
どの職種が自分に合うのだろう
大手と中堅はどちらが良いのだろう
と悩むことがあります。
そんなときに整理したいのが、
どんな働き方がしたいのか
どんな仕事に興味を持てそうか
どんな環境が合いそうか
という部分です。
たとえば、
研究に近い仕事がしたいのか。
ものづくりの現場に近い仕事がしたいのか。
専門性を深めたいのか。
幅広い経験を積みたいのか。
こうしたことによって、選ぶ企業や職種は変わってきます。
企業選びで迷うと、
もっと企業研究をしよう
もっと業界を調べよう
と考えがちです。
もちろん、それで解決することもあります。
ただ、
実は企業のことが分からないのではなく、
自分が何を基準に選びたいのかが整理できていない
というケースも少なくありません。
この自己分析の目的は、
「どこへ向かうかを決めること」
です。
理系就活ロードマップでは、
企業選びに関する記事が、この役割を担っています。
自分を伝えるための自己分析
もう一つが、
選考対策として行う自己分析です。
こちらは、
企業を選ぶためではなく、
自分を相手へ伝えるための自己分析です。
ガクチカ
自己PR
志望動機
面接
などで使う材料を整理するイメージに近いかもしれません。
ここで整理したいのは、
どんな経験をしてきたのか
どんな場面で力を発揮しやすいのか
どんな考え方や行動の特徴があるのか
といったことです。
企業側は、
あなたがどんな性格なのかだけを知りたいわけではありません。
どんな場面で力を発揮するのか。
どんな考え方で行動するのか。
どんな仕事の進め方をするのか。
そうした部分も見ています。
そのため、
経験
強み
行動パターン
モチベーション
を整理していくことになります。
そして、この記事で扱うのはこちらの自己分析です。
自己分析で迷う人は、この二つが混ざっていることがあります
自己分析で手が止まってしまう人を見ていると、
この二つが混ざっていることがあります。
たとえば、
企業選びで迷っているのに、
強み探しばかり続けている。
あるいは、
ESを書かなければいけない時期なのに、
将来どんな人生を送りたいかを考え続けている。
もちろん、どちらも無駄ではありません。
ただ、その時に必要な整理ができていないと、なかなか前へ進みにくくなります。
企業選びで迷っているなら、
まずは方向性を決めるための自己分析。
ガクチカや面接の準備を進めたいなら、
自分を伝えるための自己分析。
今の自分がどちらで止まっているのかが分かるだけでも、次に何を考えればよいか見えやすくなります。
この記事では、このあと
「自分を伝えるための自己分析」
に絞って考えていきます。
まずは、
何を整理するとガクチカや志望動機につながるのか
から見ていきましょう。
企業選びで迷っている人は、自己分析の場所が違うかもしれません
ここまで読んで、
「自分はどちらの自己分析が必要なんだろう」
と思った人もいるかもしれません。
もし今、
どの企業を選べばよいか分からない
どの職種が合っているのか決められない
第一志望がなかなか決まらない
という悩みが大きいなら、
今必要なのは選考対策の自己分析ではない可能性があります。
強みが分かっても企業選びが進むとは限りません
自己分析というと、
まず強みを見つけようとする人が多いと思います。
たしかに、自己PRや面接では強みの整理が役立ちます。
ただ、
強みが分かったから企業選びが進むかというと、そうとは限りません。
たとえば、
粘り強い
改善が得意
協調性がある
といった特徴が見えてきたとしても、
メーカーが良いのか
ITが良いのか
研究開発が良いのか
生産技術が良いのか
までは分からないことが多いです。
企業選びで迷っているときは、
強み探しより先に、
自分がどんな働き方をしたいのか
何を重視して会社を選びたいのか
を整理した方が進みやすいこともあります。
企業研究が足りないのではなく、判断基準が曖昧なこともあります
企業選びで手が止まると、
もっと企業研究をしなければいけない
もっと業界を調べなければいけない
と考えやすくなります。
もちろん、情報不足が原因の場合もあります。
ただ、
企業をたくさん調べているのに決められない人もいます。
一方で、
数社比較しただけで方向性が見えてくる人もいます。
この違いは、
企業情報の量というより、
何を基準に選ぶかが整理できているかどうか
にあることも少なくありません。
もし企業を調べても調べても決められないなら、
企業研究を増やす前に、
自分の判断基準を整理するところから考えてみるのも一つの方法です。
まず方向性を整理した方が進みやすいこともあります
就活は、
自己分析
企業研究
企業比較
を順番に終わらせていくものだと思われがちです。
ただ実際は、
企業を見ながら自分の価値観が見えてくることもありますし、
企業を比較する中で興味のある仕事が見えてくることもあります。
そのため、
必ずしも順番通りに進むわけではありません。
その中でも、
企業選びで迷っている人は、
まず方向性を決めるための自己分析から整理した方が進みやすいことがあります。
どんな環境が合いそうか。
どんな仕事に興味が持てそうか。
何を重視して会社を選びたいのか。
こうしたことが少し見えてくるだけでも、
企業研究の見方はかなり変わります。
このあたりを整理したい人は、
も合わせて読んでみてください。
この記事ではここから、
選考対策につながる
「自分を伝えるための自己分析」
に絞って考えていきます。
この記事で扱うのは「自分を伝えるための自己分析」です
ここからは、
ガクチカや志望動機、面接につながる自己分析について考えていきます。
就活で必要なのは、
自分という人間を完璧に理解することではありません。
企業へ自分を伝えられる状態にすることです。
ガクチカを書く。
志望動機を考える。
面接で質問に答える。
そうした場面では、
自分がどんな経験をしてきたのか
どんな考え方で行動するのか
何を大切にしているのか
を言葉にする必要があります。
そのために行うのが、
ここで扱う自己分析です。
最初から完璧に整理できている必要はありません。
まずは、
就活で使える材料を整理する
というくらいの感覚で考えてみてください。
自分を伝えるための自己分析で整理したい3つのこと
自己分析というと、
やることがたくさんあるように感じるかもしれません。
ただ、
選考対策として考えるなら、
まず整理したいのは次の3つです。
まずは経験を振り返ってみる
最初に見ておきたいのは、
これまでの経験です。
研究
授業
実験
サークル
アルバイト
趣味
学外活動
など、自分が実際に取り組んできたことなら十分です。
ここで知りたいのは、
成果の大きさではありません。
どんな課題があったのか。
どう考えて動いたのか。
なぜ続けられたのか。
どこで苦労したのか。
そうした部分を振り返ることで、
ガクチカや自己PRの材料が見えてきます。
行動の特徴を探してみる
経験を書き出したら、
その中に共通する動きがないかを見ていきます。
問題があると改善したくなる。
分からないことは調べながら進める。
一人で集中する方が得意。
周囲と調整しながら進めることが多い。
そんな特徴です。
ここで探したいのは、
性格診断のようなラベルではありません。
自分がどんな場面で、どんな行動を取りやすいのか。
その傾向が見えてくると、
自己PRや面接でも話しやすくなります。
企業選びとのつながりも考えてみる
自己分析で意外と見落とされやすいのが、
企業選びとのつながりです。
経験を書き出して、
行動の特徴を整理しても、
それだけでは就活で使い切れません。
たとえば、
試行錯誤することが好きなら、
研究開発や設計に興味を持つかもしれません。
改善を積み重ねることが得意なら、
生産技術や品質管理に面白さを感じるかもしれません。
もちろん、
この段階で正解を決める必要はありません。
ただ、
自己分析の結果を企業選びや志望動機につなげる視点を持っておくと、
自己分析が単なる振り返りで終わりにくくなります。
自己分析は完璧を目指さなくて大丈夫です
ここまで読んで、
「思ったより整理することが多いな」
と感じた人もいるかもしれません。
ただ、一つ知っておいてほしいことがあります。
それは、
自己分析には明確なゴールがない
ということです。
最初から答えが出なくても大丈夫です
自己分析を始めると、
本当にやりたいことを見つけなければいけない
強みを正確に言葉にしなければいけない
企業選びの軸を決めなければいけない
と考えてしまうことがあります。
ただ、就活を始めたばかりの段階で、そこまで整理できている人はそれほど多くありません。
むしろ、
企業を調べる
インターンに参加する
社員の話を聞く
選考を受ける
といった経験を通して、
後から見えてくることの方が多いくらいです。
だから、
最初から正解を探そうとしなくても大丈夫です。
今の時点での考えを仮に置いてみる。
まずはそのくらいから始めれば十分だと思います。
就活を進める中で変わっていくこともあります
自己分析は、一度やったら終わりというものではありません。
企業研究をしているうちに、
意外とこの仕事に興味があるかもしれない
と感じることがあります。
逆に、
良さそうだと思っていた企業を調べる中で、
自分にはあまり合わないかもしれない
と気付くこともあります。
そうやって、
価値観や判断基準が少しずつ変わっていくのは自然なことです。
最初に整理した内容と違ってきたとしても、それは失敗ではありません。
むしろ、
就活を進めながら考えが整理されている状態とも言えます。
自己分析だけで完結しなくても大丈夫です
真面目な人ほど、
自己分析を終わらせてから企業研究をしよう
企業選びが終わってからESを書こう
と考えることがあります。
ただ実際は、
自己分析をして、
企業を調べて、
志望動機を考えて、
また自己分析に戻る。
そんな進み方になることも少なくありません。
企業を見ているうちに、
自分が大切にしたいことが見えてくることもあります。
志望動機を書いているうちに、
自分の考えが整理されることもあります。
そのため、
自己分析だけを完璧にしてから次へ進む必要はありません。
どこまでできれば十分なのでしょうか
では、
自己分析はどこまでできればよいのでしょうか。
理系就活ロードマップでは、
深く考え切れたかどうかよりも、
就活で使える状態になっているか
を一つの目安にしています。
たとえば、
ガクチカに使えそうな経験が見えている。
自分の行動パターンが何となく分かっている。
企業選びや志望動機につながりそうな考え方が整理できている。
そのくらいでも、
次へ進むには十分です。
完璧な自己分析を目指して立ち止まるより、
少し整理できた段階で前へ進みながら考える方が、
結果として就活は進めやすいと思います。
自己分析を進める流れ
ここまで読んで、
「考え方は分かったけれど、実際には何から始めればいいのだろう」
と思った人もいるかもしれません。
自己分析にはいろいろなやり方がありますが、
まずは次の流れで考えてみると進めやすいと思います。
STEP1 経験を書き出してみる
最初は、
研究
授業
実験
アルバイト
サークル
趣味
など、自分が取り組んできたことを書き出してみます。
立派な経験である必要はありません。
まずは、
自分がどんな場面で行動してきたのかを振り返るところから始めてみましょう。
STEP2 共通する行動を探してみる
経験を書き出したら、
その中に共通する考え方や行動がないかを見ていきます。
問題があると改善したくなる。
分からないことは調べながら進める。
周囲と相談しながら進めることが多い。
そんな特徴です。
強みを探そうとするより、
どんな動きをすることが多いかを見る方が見つけやすいかもしれません。
STEP3 就活で使える形に整理してみる
行動の特徴が見えてきたら、
それをガクチカや自己PRで使える形に整理していきます。
どんな場面で発揮されたのか。
どんな成果につながったのか。
を考えていくと、
選考で話せる材料になっていきます。
STEP4 企業選びや志望動機につなげてみる
最後に、
整理した内容を企業選びや志望動機と結び付けていきます。
どんな仕事に興味を持ちやすそうか。
どんな環境が合いそうか。
何を重視して会社を選びたいのか。
そうしたことを考えていくと、
自己分析が就活全体につながっていきます。
ここまでできれば、
自己分析としては十分前へ進んでいます。
ただ、
実際にやってみると、
どの経験を選べばよいのか分からない
強みがうまく言葉にならない
共通する行動が見つからない
と感じることもあります。
そんな人は、
より具体的な手順に沿って進めた方が整理しやすいかもしれません。
次の記事では、
理系学生向けに自己分析を進める流れを5つのステップでまとめています。
実際に手を動かしながら進めたい人は、
短期間で自己分析を完成させる|経験・強み・企業選びの軸を整理する5ステップ
も合わせて読んでみてください。
AIを使うと進めやすい部分
自己分析は、一人で考えていると意外と手が止まりやすい作業です。
そんなときは、AIを整理役として使ってみるのも一つの方法です。
AIが役立ちやすい場面
AIが得意なのは、
経験の整理
共通点の抽出
強み候補の洗い出し
文章化
といった作業です。
たとえば、
研究で取り組んだこと
アルバイトで工夫したこと
サークルで頑張ったこと
を書き出して、
「共通する行動パターンはありますか」
と聞いてみると、自分では気付かなかった特徴が見えてくることがあります。
また、
ガクチカや自己PRのたたき台を作る場面でも活用しやすいです。
AIだけでは整理しにくい部分もあります
一方で、
どんな仕事に納得感を持てるのか
どんな企業が自分に合うのか
何を優先して選びたいのか
といった部分は、AIだけで答えを出せるものではありません。
AIは整理や比較は得意ですが、
最終的な判断を代わりに行うことはできません。
そのため、
AIに答えを出してもらうというより、
考えを整理するための相談相手として使う方が進めやすいと思います。
まとめ|自己分析は「何のために整理するのか」を知ることから始まります
自己分析という言葉を聞くと、
自分を深く理解しなければいけない
本当にやりたいことを見つけなければいけない
と考えてしまうことがあります。
ただ、理系就活ロードマップでは、
自己分析には二つの役割があると考えています。
一つは、
方向性を決めるための自己分析。
もう一つは、
自分を伝えるための自己分析です。
企業選びで迷っているなら、
まず整理したいのは前者かもしれません。
一方で、
ESや面接の準備を進めたいなら、
経験や行動パターンを整理する後者の自己分析が役立ちます。
この記事で扱ったのは、
「自分を伝えるための自己分析」
です。
まずは、
これまでの経験を振り返り、
自分に共通する行動の特徴を整理し、
それを企業選びや志望動機につなげてみてください。
最初から完璧である必要はありません。
ガクチカや志望動機に使える材料が少し見えてきたら、それだけでも十分前進しています。
次に、実際の手順に沿って自己分析を進めたい人は、
短期間で自己分析を完成させる|経験・強み・企業選びの軸を整理する5ステップ
を読んでみてください。
また、
経験をガクチカへつなげたい人は、
企業選びとのつながりを志望動機に整理したい人は、
も合わせて読んでみてください。
