就職四季報の見方|まずはどこを見ればいい?

就職四季報を開いてみると、採用人数や離職率、残業時間、年収、勤務地など、かなり多くの情報が並んでいます。

企業研究に使えそうなのは分かっても、「結局、どこから見ればいいのか分からない」と感じることもあると思います。

最初からすべての項目を確認する必要はありません。まずは見る場所を絞り、気になるところがあったときに他社と比べたり、別の情報で理由を確かめたりする方が使いやすくなります。

この記事では、就職四季報を初めて使う人向けに、まず確認したい項目と情報を見るときの考え方を整理します。

この記事でわかること

  • 就職四季報を開いたときに、最初に確認したい項目
  • 離職率・残業時間・採用人数などを見るときの考え方
  • 一社の情報だけで企業を判断しないための見方
  • 四季報で気になった点を次の企業研究につなげる方法

就職四季報は、全部読もうとしなくて大丈夫

就職四季報のよさは、企業ごとに調べ方を変えなくても、同じような項目を並べて確認できるところにあります。

ただ、情報量が多いため、一社ずつ最初から最後まで読もうとすると時間がかかります。企業研究を始めたばかりなら、なおさら全部を理解しようとする必要はありません。

まずは、自分が気になっている企業を数社選び、同じ項目を見ていくくらいで十分です。

ここで意識しておきたいのは、四季報の情報だけで「良い企業」「悪い企業」を決めないことです。

たとえば、離職率が少し高かったとしても、その数字だけでは理由までは分かりません。残業時間が少なくても、自分が希望する職種や部署も同じとは限りません。

四季報は、企業をその場で判定するためのものではなく、「この会社について、次に何を確認した方がよいか」を見つける資料として使うのがおすすめです。

まず見るべきは5項目だけ

最初から多くの情報を見るよりも、まずは次の5つに絞ってみてください。

  • 採用人数・採用実績
  • 配属勤務地・部署・転勤
  • 新卒3年後離職率
  • 残業時間・有休取得状況
  • 初任給・年収などの待遇

一つひとつを詳しく分析する必要はありません。まず企業ごとの違いに気づければ十分です。

採用人数・採用実績|どんな採用をしている企業かを見る

採用人数を見ると、その企業が毎年どのくらいの規模で新卒採用をしているのかが分かります。

ここで注意したいのは、採用人数が多いから入りやすく、少ないから難しいと単純には判断できないことです。応募者数や職種ごとの募集人数などによっても状況は変わります。

見るなら、一年分だけでなく数年分の推移も確認してみましょう。毎年ほぼ同じ人数を採っている企業もあれば、年によって大きく変わる企業もあります。技術系の採用人数が分かる場合は、全体の人数だけでなく、自分が希望する職種との関係も見ておくと参考になります。

採用実績校も同じです。

自分の大学や近い大学からの採用実績があれば一つの材料になりますが、掲載されていないからといって応募できないとは限りません。

採用人数や採用実績は合否を予測するためのものではなく、その企業がどのような規模・形で採用しているのかを見る材料として使いましょう。

配属勤務地・部署・転勤|希望する働き方とズレがないか確認する

理系学生の場合は、企業名だけでなく、入社後にどこで、どのような部署へ配属される可能性があるのかも確認しておきたいところです。

四季報では、配属勤務地や部署、転勤に関する情報を確認できます。

たとえば、本社は都市部にあっても、技術系では別の地域にある研究所や工場へ配属されることがあります。勤務地を重視している人にとっては、企業名や本社所在地だけでは分からない部分です。

ただし、希望する職種の具体的な配属先や、各拠点でどのような仕事をするのかまで四季報だけで把握できるとは限りません。

希望とのズレがありそうなら、「技術系ではどの勤務地への配属が多いのか」「配属はどのように決まるのか」といった点を、採用ページや説明会で確認するきっかけにしましょう。

新卒3年後離職率|数字だけで「良い・悪い」を決めない

離職率は、企業を見るときについ目が行く数字です。

ただし、

「低いから良い会社」 「高いから避けるべき会社」

と、そのまま判断するのは少し早いです。

同じ業界の企業と比べて大きな差がある場合には、「なぜ違うのだろう」と考える材料になります。

仕事内容とのミスマッチが起こりやすいのか、働き方に特徴があるのか、それとも別の事情があるのか。四季報の数字だけでは理由までは分からないため、気になった場合はもう一段調べてみましょう。

離職率について詳しく確認したい場合は、3年以内の離職率の読み方で、数字を見るときの注意点を整理しています。

残業時間・有休取得状況|入社後の働き方をイメージする

残業時間と有休取得状況は、入社後の働き方を考える材料になります。

ただ、ここでも数字一つだけで結論を出さない方がよいです。同じ企業でも職種や部署によって忙しさは違いますし、時期によって仕事量が変わることもあります。

そのため、「月○時間だから多い・少ない」と決めるより、同じ業界の企業と比べてどうかを見る方が判断しやすくなります。

たとえば、同業3社を見たときに一社だけ残業時間が大きく違えば、その理由をもう少し確認してみる価値があります。

有休についても、制度があるかどうかだけではなく、実際にどの程度使われているのかを見る一つの手がかりになります。

働きやすさを数字だけで決めるのではなく、気になる差を見つけるために使うくらいの距離感がよいでしょう。

初任給・年収|待遇は他の条件とセットで見る

給与も、企業を比べるうえで気になる人が多いポイントです。長く働くことを考えれば、当然、企業選びの材料の一つになります。

ただし、平均年収は新卒で入社したときにその金額を受け取れるという意味ではありません。初任給なども確認しながら、待遇を見るための材料として考えましょう。

また、給与だけを切り離して見ると判断しにくくなります。

たとえば給与が高くても、勤務地の範囲が広かったり、希望する仕事内容とずれていたりすることがあります。反対に、給与だけでは目立たなくても、仕事内容や勤務地が自分に合う企業もあります。

そのため、

  • 仕事内容
  • 配属
  • 勤務地
  • 働き方
  • 待遇

を合わせて見ていきましょう。

「年収が高い企業を探す」というより、自分が企業を比べるときの条件の一つとして確認するくらいの感覚がちょうどよいです。

数字は一社だけで判断せず、同業他社と比べる

四季報の数字は、一社だけ見ても判断しにくいことがあります。

たとえば、ある企業の残業時間が月25時間だったとしても、その数字だけを見て多いのか少ないのかを決めるのは難しいでしょう。

そこで、気になっている企業を3社ほど選び、同じ項目を並べて見てみます。

A社は月20時間前後、B社は30時間前後、C社は15時間前後というように比べれば、一社だけを見たときより違いがはっきりします。

採用人数や離職率なども同じです。

ここで大切なのは、数字に順位をつけることではありません。企業によって何が違うのかを見つけ、自分が気になる点を絞ることが目的です。

本格的に企業同士を比較するときは、仕事内容や事業内容、自分の就活の軸なども必要になります。就職四季報だけで比較を完成させようとせず、まずは違いを見つけるところまでで十分です。

気になる違いを見つけたら「なぜ?」を考える

就職四季報を見ていて、他社と少し違うところを見つけたら、そこで企業を候補から外すのではなく、一度理由を考えてみましょう。

離職率が他社より高い。技術系の採用人数が少ない。勤務地の範囲が広い。残業時間に差がある。

こうした違いに気づいたとき、四季報から分かるのは基本的に「違いがある」というところまでです。その違いが自分にとって本当に問題になるのかは、もう少し調べないと分かりません。

残業時間が気になるなら、希望職種でも同じ傾向なのかを確認する。勤務地が気になるなら、技術系社員が実際にどの拠点へ配属されることが多いのかを見る。採用人数が少ないなら、職種別の採用人数や募集の仕組みを確認する。

このように、違いを見つける → 疑問を持つ → 理由を調べるという流れにすると、四季報の情報を企業研究へつなげていけます。

就職四季報だけで企業研究を終わらせない

就職四季報は、複数の企業を同じような項目で見られる便利な資料ですが、企業のすべてが分かるわけではありません。

実際に担当する仕事内容、技術や製品の特徴、配属の細かな仕組み、職場の雰囲気、自分の専攻や経験との接点——このあたりは、採用ページや企業サイト、説明会などの情報も合わせたほうが見えてきます。

四季報で気になるところを見つけ、別の情報で確かめる。この使い方ができれば、最初から大量の企業情報を集めなくても、調べるポイントを絞れます。

企業研究全体で何を確認するのか整理したい場合は、理系の企業研究へ進むと、四季報以外の情報も含めて考えられます。

まとめ|まず5項目を見て、気になったところを深掘りする

就職四季報は、最初から全部を見る必要はありません。

まずは、採用、配属、離職率、働き方、待遇の5つを確認し、気になる企業を同じ項目で比べてみましょう。

違いが見つかったら、その場で良し悪しを決めるのではなく、「なぜ違うのか」を採用ページや説明会などで確かめていきます。

就職四季報は、企業研究を終わらせる資料ではなく、次に何を調べるかを見つける入口として使う。

この考え方で見ると、情報量が多くても振り回されずに済みます。

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