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気になる企業について調べ、仕事内容や勤務地、給与、働き方もある程度分かってきた。それでも複数の候補を前にすると、「結局、どの会社が自分に合っているのだろう」と迷うことがあります。
企業研究では、会社ごとに判断に必要な情報を集めます。企業比較では、その情報を同じ項目で並べ、自分が重視する条件にどのくらい合っているかを比べます。
企業比較は、同じ項目で企業を並べ、自分にとって大きな違いを見つけるために行います。
この記事では、A社・B社・C社という架空の3社を例に、「譲れない条件を確認する→同じ項目で並べる→違いが自分にとって大きいか考える」という順で、比較のやり方を説明します。
企業比較では何を比べる?
比べる項目は、自分の企業選びの基準から決めます。給与、勤務地、仕事内容、働き方など、企業研究で集めた情報のうち、自分の判断に関わるものが対象です。
【理系の企業選びの基準】では、企業を選ぶ条件を「受け入れられない一線」「譲れない条件」「できれば満たしたい条件」などに分けています。この記事では、次の3段階で使います。
| 段階 | 比較での使い方 |
|---|---|
| ① 候補に残せるか | 受け入れられない条件がある企業は外す |
| ② 譲れない条件 | 満たしているか、未確認かを調べる |
| ③ できれば満たしたい条件 | 候補企業の間で、どのくらい違いがあるかを見る |
同じ企業でも、給与を最優先する学生と研究開発の仕事を最優先する学生では、評価が変わります。今回は、研究開発の仕事を最優先する学生を例に進めます。
ステップ1|候補に残せるか確認する
最初に、自分にとって受け入れられない条件がある企業を外します。企業の説明と実態に大きな食い違いがある場合などが当てはまります。一つの口コミや印象だけでは決めず、事実が分からない部分は「未確認」として残します。
次に、自分の譲れない条件を決めます。今回の学生は、次のような希望を持っています。
| 条件の種類 | 今回の学生の希望 |
|---|---|
| 譲れない条件 | 研究開発または設計の仕事に就けること |
| できれば満たしたい条件 | 東海地方で働きたい。転勤は少ない方がよい |
| その他の比較項目 | 初任給、残業時間 |
この学生が検討しているのは、A社・B社・C社です。希望の職種で採用されると分かっているのはA社だけで、B社とC社は技術系総合職のため、研究開発や設計に配属されるかどうかが分かりません。
ただ、配属される可能性のある職種や、希望がどの程度考慮されるかは調べる余地があるので、この時点でB社とC社を外す必要はありません。
今回の学生にとって仕事内容は譲れない条件です。給与などが良くても、その分で埋め合わせることはできません。
ステップ2|同じ項目で3社を比較する
候補企業を残したら、企業研究で集めた情報を同じ項目で並べます。
※以下のA社・B社・C社と数値・採用条件は、比較方法を説明するための架空の設定です。実在する企業の情報ではありません。
| 比較項目 | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|
| 採用区分 | 研究開発職採用 | 技術系総合職 | 技術系総合職 |
| 主な勤務地 | 愛知 | 愛知・静岡 | 全国 |
| 転勤 | 可能性あり | 原則なし | 可能性あり |
| 初任給(月額) | 26万円 | 27万円 | 29万円 |
| 月平均残業時間 | 18時間 | 15時間 | 未確認 |
| 配属 | 研究開発職 | 入社後決定 | 入社後決定 |
この段階では、「A社が一番良い」「C社は給与が高いから有利」といった評価はしません。まず、会社ごとに分かった事実を並べます。表にすると、会社ごとの違いに加えて、まだ調べられていない情報も見えてきます。
分からない情報は「未確認」として残す
比較する項目がそろわないときは、推測で埋めず「未確認」と書いておきます。今回の例では、C社の月平均残業時間が未確認です。B社とC社は、希望する研究開発や設計に配属されるかどうかも分かっていません。
残業時間は募集要項や説明会で確認できる場合があります。配属についても、希望を伝えられる時期や、配属先の決め方を質問できます。
企業ごとの調べ方は、【理系の企業研究】で紹介しています。
口コミや選考体験記で補える情報
企業の公式サイトだけでは、実際の職場の様子や働き方が分からないことがあります。そのようなときは、口コミや選考体験記も参考になります。就活会議では、社員・元社員による口コミや、過去のES・面接体験記などを調べられます。
口コミは投稿者個人の経験で、会社全体の今の姿とは限りません。部署や時期によって状況が違うこともあります。希望職種への配属可能性も、口コミだけでは判断できないので、募集要項や説明会でも確かめましょう。
就活口コミサービス「就活会議」ステップ3|違いが自分にとって大きいか考える
比較表ができたら、最初に決めた基準に戻って、各社の違いを見ていきます。今回の例では、次のようになります。
| 会社 | 良い点 | 気になる点 |
|---|---|---|
| A社 | 研究開発職で採用される | 転勤の可能性がある。初任給は3社で最も低い26万円(B社との差は月1万円) |
| B社 | 愛知・静岡で働け、原則として転勤がない。残業時間も15時間と短め | 研究開発や設計に配属されるか分からない |
| C社 | 初任給が3社で最も高い29万円 | 全国転勤の可能性がある。配属は入社後に決まり、残業時間も未確認 |
実際に比較するときも、各社の良い点と気になる点を短く書いてみましょう。
譲れない条件を満たすかを先に見る
3社を、条件の良い項目の数だけで比べると、判断を誤りやすくなります。
今回の学生は、研究開発または設計の仕事に就けることが譲れない条件です。B社やC社の給与や勤務地が魅力的でも、この条件を満たせないと分かれば、候補から外します。
一方、配属先が決まっていない場合は、希望する職種に配属される可能性や、希望がどの程度考慮されるかを確認します。
そのうえで、会社ごとに次のような点を考えます。
- A社:東海地方で働き続けたいという希望に対し、転勤の可能性がどの程度あるか
- B社:研究開発または設計に配属される可能性や、希望がどの程度考慮されるか
- C社:希望職種への配属可能性を確認したうえで、給与の高さと勤務地・転勤の条件をどう評価するか
配属先が決まっていないこと自体を、すべての学生が避けるべきとは限りません。ただし、今回のように希望職種が譲れない条件なら、配属の決まり方を十分に確認したいところです。
詳しくは、【配属リスクの考え方】で紹介しています。
比較しても決められないときは
比較表を作っても候補を絞れない場合は、まず決められない理由を考えます。何を重視するか決まっていないなら企業選びの基準を見直し、判断に必要な情報が足りないなら未確認の部分を調べます。
それでも迷う場合は、大学のキャリアセンターや信頼できる人に相談したり、AIを使って判断理由を言葉にしたりする方法もあります。
また、現在の候補企業だけでは納得できず、相談しながら別の企業も紹介してほしい場合は、就活エージェントを利用する選択肢があります。
ただし、エージェントは基本的に取引のある企業の紹介と、その選考支援を行うサービスです。自分で見つけた企業を中立的に比較するだけのサービスとは限りません。
相談先の選び方や、エージェントを使う目安は、【就活を一人で決めきれない理系学生へ】で紹介しています。
まとめ|比較結果を第一志望の判断につなげる
企業比較は、譲れない条件で候補を絞り、残った企業を同じ項目で並べて違いを見る流れで進めます。各社の良い点と気になる点を一言で説明できるようになったら、次は第一志望を考える段階です。
比較で分かった違いをもとに、自分がどの企業を第一志望にしたいのか考えていきます。具体的な決め方は、【理系の第一志望の決め方】で紹介しています。

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