就活で企業を探し始めると、「できれば自分に合う会社を選びたい」と思うはずです。
ただ、企業の数は多く、知っている会社や人気企業を眺めているだけでは、自分に合うかどうかまではなかなか分かりません。口コミを読んでも評価は人によって違いますし、条件を増やせば増やすほど、何を基準に探せばいいのか分からなくなってきます。
そんなときは、企業をさらに探す前に、自分はどんな仕事や働き方、環境なら合いそうかを一度考えてみると、探しやすくなります。
最初から正確に決める必要はありません。「今の自分なら、こういう企業から見てみよう」という程度の仮説があれば十分です。
この記事では、自分に合う企業を考えるときに、企業探しの前に整理しておきたい視点をまとめます。
この記事で分かること
- 「自分に合う企業」を何から考えればいいか
- 仕事内容・働き方・仕事の進め方や環境のどこを見るか
- 合いそうな条件と、避けたい条件の考え方
- 企業探しを始めるための仮説の作り方
企業名より先に、「合いそうな方向」を考える
企業探しを始めると、まずは知っている企業や有名企業から見ていくことが多いと思います。最初のきっかけとしては自然ですが、知名度や人気だけでは自分との相性までは分かりません。
世間で評価されている企業でも、自分が興味を持てる仕事が少なかったり、希望する働き方と合わなかったりすることがあります。反対に、これまで知らなかった企業の中に、自分が求めている仕事や環境があることもあります。
そのため、「自分に合う企業はどこだろう」と考えるときは、会社名を増やすことよりも先に、どんな企業なら自分に合いそうかを考えてみることをおすすめします。
どんな仕事なら興味を持てそうか。どんな働き方なら無理が少なそうか。どんな環境なら、働いている自分の姿をイメージしやすいか。こうした方向が少し見えているだけでも、企業は格段に探しやすくなります。
また、「自分に合う企業」は一つの条件だけで決まるものではありません。仕事内容は魅力的でも勤務地が希望と合わないこともあれば、働き方は希望に近くても仕事内容にはあまり興味を持てないこともあります。
いくつかの条件を照らし合わせながら、自分に合いそうな部分が多い企業を探していく、というくらいの感覚で始めると気が楽になります。
自分に合いそうな企業を考える3つの視点
「自分に合う」とだけ考えると漠然としてしまうので、まずは3つの視点に分けて考えてみます。
仕事内容との相性
最初に考えたいのは、どんな仕事に興味を持てそうかです。
理系の仕事といっても、研究、開発、設計、生産技術、品質管理、技術営業など、実際に担当する仕事はさまざまです。同じメーカーでも、職種が違えば日々の仕事は大きく変わります。
この段階で「自分にはこの職種しかない」と決める必要はありません。
「製品や技術に深く関わる仕事が気になる」「研究そのものより、製品として形にする仕事に興味がある」「技術だけでなく、人と関わる仕事も見てみたい」——このくらいの手応えでも、企業を見る方向は十分変わってきます。
企業名だけを見るのではなく、その会社でどんな仕事をすることになりそうかまで見てみることが、自分との相性を考える手がかりになります。
働き方との相性
仕事内容と同じくらい、自分がどう働くことになるのかも確認しておきたいところです。
勤務地や転勤の有無、働く場所、勤務時間などは、入社後の生活に直結します。
仕事内容には強く興味があっても、全国転勤が前提で、それが自分にとって大きな負担になりそうなら、企業選びで無視するわけにはいきません。逆に、勤務地へのこだわりがそれほど強くない人なら、仕事内容を優先して企業を見ていくこともできます。
どちらが正しいというものではなく、自分が仕事を続けるうえで無理の少ない働き方はどれかを考えることが大切です。
最初から細かい条件をすべて決めなくても、「ここは気になる」「これはそれほど気にならない」という違いが分かるだけで、企業は見やすくなります。
仕事の進め方・成長環境との相性
仕事内容や勤務地だけでなく、どんな環境で仕事を進め、経験を積んでいくのかも相性に関わってきます。
一つの技術を深く身につけたい人もいれば、複数の仕事を経験しながら幅を広げたい人もいます。早い段階から大きな役割を任されたい人もいれば、まずは先輩のもとでじっくり経験を積みたい人もいますし、チームで相談しながら進める仕事が多いのか、自分で考えて進める時間が長いのか、といった違いもあります。
こうした環境を入社前に完全に知ることはできません。
それでも、採用情報や仕事内容、説明会や社員の話などから、実際にどんな環境で働くことになりそうかをある程度想像してみることはできます。
自分が働く姿をイメージできるかどうかを見てみると、仕事内容や条件だけでは分からなかった相性も見えてきます。
「合いそう」だけでなく、避けたい条件も考えてみる
自分に合う企業を考えるとき、「何をしたいか」がすぐには出てこないこともあります。
その場合は、無理に理想の企業像を作らなくても構いません。むしろ、自分には合わなさそうな条件や、できれば避けたいことから考えたほうが整理しやすいこともあります。
たとえば、次のようなことです。
- 全国転勤が多い働き方はできれば避けたい
- 技術との接点がほとんどない仕事は避けたい
- 一人で進める仕事より、周囲と相談しながら進める仕事のほうが合いそう
これらを今すぐ「絶対に譲れない条件」にする必要はありません。まずは、
- 合いそうな方向
- 少し合わなさそうな方向
を分けてみる程度で十分です。
「何が向いているか」はまだ分からなくても、「これは自分には少し違いそうだ」と感じることはあるはずです。その感覚も、企業を探す範囲を考えるうえで立派な材料になります。
最初は「合いそうな企業」の仮説でよい
企業探しを始める前に、自分に合う会社の条件を完全に決めておく必要はありません。
企業についてまだあまり知らない段階では、そもそも比較する材料自体が少ないからです。
そこで、最初はあくまで仮説として置いておくくらいに考えてみましょう。
「技術に近い仕事ができる企業が合いそう」「転勤があまり多くない働き方のほうが自分には合いそう」「一つの専門性を積み上げられる環境が気になる」——という程度で構いません。
この時点で、それが正しいかどうかを決める必要はありません。企業を何となく眺めるのではなく、今の自分なりに見る方向を持っておくことが大切です。
方向が一つあるだけでも、企業情報を見たときに「ここは自分に合いそう」「ここは少し違うかもしれない」と判断しやすくなります。
企業を見ながら、仮説を修正していく
最初に考えた「合いそうな企業像」は、企業研究や説明会を通じて変わっていって構いません。
たとえば、最初は勤務地を最も重視していたけれど、企業を見ていくうちに仕事内容の違いのほうが気になるようになることがあります。反対に、仕事内容だけで企業を選ぼうとしていたのに、働き方も自分にとって大事な要素だと気づくこともあります。
これは、最初の考え方が間違っていたということではありません。
企業について知れば知るほど、自分が何を気にするタイプなのかも、少しずつ分かってくるものです。
つまり、仮説を作る → 企業を見る → 違和感や魅力を確認する → 仮説を修正するという進め方で問題ありません。「自分に合う企業」を先に完成させてから企業を探すのではなく、企業を見ることと自分の考えを整理することを行き来しながら、少しずつ方向を絞り込んでいく。そのくらいの気持ちで十分です。
合いそうな方向が見えたら、企業選びへ
「仕事内容ならこの方向が気になる」「この働き方は避けたい」といった手がかりがいくつか見えてくれば、企業探しを始めるには十分です。
そこから実際の企業を見ながら、必要に応じて考え方を修正していきましょう。
合いそうな方向が見えてきたら、次は企業選び全体の進め方を確認してみてください。
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