就活では、どちらを選べばいいのか迷う場面が何度も出てきます。企業を選ぶとき、インターンに参加するかどうか決めるとき、就活サービスを使うか検討するときなど、調べても答えが一つに絞れないことは珍しくありません。
迷うと、「もっと調べれば正解が見つかるのではないか」と考えたくなります。ただ、選択肢の違いがある程度わかっているのに決められないのだとしたら、足りないのは情報ではなく、その情報をどう評価するかという判断基準かもしれません。
この記事では、どちらが正解かを探すのではなく、「自分は何を理由に選ぶのか」を考える方法を紹介します。
この記事でわかること
- 迷ったときに、情報を増やすより先にやっておきたいこと
- 自分が重視することと、許容できることの分け方
- どこまで情報がそろえば判断していいのか
- 判断基準は途中で見直していいのか
就活で迷ったときは「正解」より「判断基準」を考える
受験の問題であれば、基本的には正しい答えがあります。一方、就活の選択には、誰にでも当てはまる一つの正解があるとは限りません。
同じ企業を見ても、仕事内容に魅力を感じる人もいれば、勤務地や働き方を重視する人もいます。知名度のある企業を選びたい人もいれば、企業規模より自分が担当する仕事を重視したい人もいます。どちらかが間違っているわけではなく、判断に使っている基準が違うだけです。
先輩の体験談や口コミも参考にはなりますが、その人と自分とでは専攻や希望する仕事、大切にしたい条件が違います。そのため、「一般的にはどちらがいいのか」だけを探しても、自分にとっての答えが見つからないことがあります。
必要なのは、誰かの正解を見つけることよりも、自分は何を理由にこちらを選ぶのかを整理することです。
情報を増やしても決められないことがある
企業を比較するとき、事業内容や仕事内容、勤務地、待遇などを調べても決められないことがあります。もちろん、本当に情報が足りないなら追加で調べる必要がありますが、選択肢の違いがすでにわかっているなら、情報を増やすだけでは判断しやすくならない場合もあります。
一方は仕事内容が魅力的で、もう一方は働き方が希望に近い、というケースを考えてみてください。このとき必要なのは、さらに違いを探すことより、今回は仕事内容と働き方のどちらをより重視したいのかを考えることです。
情報は選択肢の違いを知るための材料ですが、その違いをどう評価するかまでは教えてくれません。ある程度調べても決められないときは、情報収集を続ける前に、自分が何を基準に判断しようとしているのかを一度立ち止まって考えてみると、見え方が変わってきます。
迷ったときに整理したい3つのこと
判断基準といっても、最初から細かな条件表を作る必要はありません。迷ったときは、まず次の3つを分けて考えると整理しやすくなります。
① 今回の選択で何を満たしたいのか
最初に考えたいのは、「どちらがいいか」ではなく、今回の選択で何を得たいのかです。
インターンを選ぶ場合でも、業界について知りたい人と、仕事内容を体験したい人とでは選び方が変わります。就活サービスなら、応募先を増やしたいのか、第三者に相談したいのかによって必要なものが違ってきます。
企業を選ぶ場合も同じです。仕事内容を優先したいのか、勤務地を外したくないのか、働き方を重視したいのかによって、同じ企業を比較しても結論は変わります。
迷っているときは、選択肢そのものばかりを見てしまいがちです。「どちらが優れているか」を考える前に、自分は今回、何を満たしたくて選んでいるのかを確認してみてください。ここが見えてくると、判断に必要な情報と、それほど重視しなくていい情報を分けやすくなります。
② 何が譲れなくて、何なら許容できるのか
希望を挙げていくと、条件は簡単に増えていきます。仕事内容も希望に合う、勤務地もいい、待遇もいい、知名度もある、働き方にも不満がない。できればすべて満たしたくなりますが、条件を同じ重さで扱うと、少しでも欠けた選択肢を選びにくくなってしまいます。
そこで分けたいのが、外したくないことと、条件によっては許容できることです。勤務地は外したくないが企業規模にはそれほどこだわらない、仕事内容は重視したいが福利厚生は一定水準ならいい、というように、条件ごとに重さを変えて見ていきます。
さらに、「できれば満たしたいけれど、ほかの条件との組み合わせで考えられるもの」まで分けておくと、すべての条件で一番いい選択肢を探さなくても済むようになります。
これは仕方なく妥協するという話ではありません。自分にとって影響の大きい条件と、ある程度幅を持たせられる条件を、同じように扱わないための整理です。理想の選択肢を作るためのチェックリストではなく、自分が何を理由に決めるのかをわかりやすくするためのものと考えると使いやすくなります。
③ どこまでわかれば決めていいのか
就活では、調べようと思えば情報をいくらでも増やし続けられます。もう一つ口コミを読めば何かわかるかもしれない、別の社員の話を聞けば印象が変わるかもしれない、もっといい選択肢が後から見つかるかもしれない。そう考えると、判断をいつまでも先延ばしにしやすくなります。
ただ、就活ではすべてを確認してから決められるとは限りません。実際の配属先や一緒に働く人、入社後に任される仕事など、選考中には確定しないこともあります。
そのため、何がわかったら判断するのかを自分なりに決めておくことも必要です。仕事内容・勤務地・働き方について確認できれば応募するか決める、説明会と社員の話まで聞いたらインターンに参加するか決める、といった具合に、判断に必要な材料をあらかじめ区切っておくイメージです。
目指すのは、「絶対にこちらが正しい」と確信できる状態ではありません。今ある情報なら、この理由でこちらを選ぶと説明できるところまでいけば、判断は前に進められます。
判断基準は就活を進めながら見直していい
最初に決めた判断基準を、そのまま就活の最後まで使う必要はありません。企業についてほとんど知らない段階と、説明会やインターンに参加したあとでは、重視したいことが変わる場合があります。
最初は有名な企業を中心に見ていたけれど、企業研究を進めるうちに仕事内容のほうが気になってきた。勤務地を最優先に考えていたけれど、興味のある仕事なら少し範囲を広げてもいいと感じるようになった。こうした変化は珍しいものではありません。
これは、最初の考え方が間違っていたということではないはずです。知らなかった企業や仕事を知ることで、自分が何を気にするのかも少しずつ見えてきます。
一方で、新しい情報に触れるたびに基準を変えていると、いつまでたっても決められません。判断基準を見直すときは、新しく知ったことによって考えが変わったのか、それとも理由が曖昧なまま基準が動いているだけなのかを、一度確認してみてください。固定する必要はありませんが、理由なく動かし続けるものでもない。考えが変わった理由まで自分でわかっていれば、その経験は次の判断にも使えます。
迷いが残っていても、理由を説明できれば判断は進められる
就活で何かを選ぶとき、迷いが完全になくなるとは限りません。どちらにも魅力があり、それでも一つを選ばなければならない場面はあります。
そのときに必要なのは、100%の確信ではなく、自分は何を重視したのか、何は外したくなかったのか、何なら許容できると考えたのか、今わかっている範囲でなぜこちらを選んだのかを、自分なりに説明できることです。
正解だったかどうかは、選んだ時点ではわからないこともあります。それでも、判断した理由が整理できていれば、ただ何となく決めた状態とは違います。
もし今、いくつかの選択肢を前にして決められずにいるなら、もう一度情報を探す前に、「自分は何を理由に決めたいのか」から考えてみてください。選択肢そのものは変わらなくても、判断するときに見る場所は少し変わってくるはずです。
次に読むべき関連記事
情報収集しすぎて迷う理由
企業や就活情報を調べ続けても決められない場合は、情報の集め方そのものが迷いを増やしていないか確認してみてください。調べすぎから抜け出すための考え方を整理しています。
就活の優先順位の付け方
選択肢ではなく、「やることが多すぎて何から進めればいいかわからない」という場合はこちらです。限られた時間の中で、今やることを整理します。
第一志望が決まらない理由
企業はある程度絞れているのに第一志望だけ決められない場合は、単純な情報不足とは別のところで止まっている可能性があります。決められない理由から整理します。
就活で主導権を失わない考え方
周囲の意見や情報に触れるたびに判断が変わってしまう場合はこちらです。外から得た情報を参考にしながら、自分で判断を残す考え方を整理します。
理系の企業選びの基準
今回の判断方法を実際の企業選びに使いたい場合はこちらです。仕事内容や働き方など、企業を見るときの具体的な判断軸を整理しています。






コメント