就活を始めると、企業の採用ページや外部の就活サイトを見る機会が多くなります。インターンや説明会も自分で探せるため、大学のキャリアセンターや学内就活サイトをほとんど使わずに進めることもできます。
ただ、大学の中には、外部サイトでは見つけにくい情報があります。
自分の大学や専攻からどの企業へ就職しているのか、大学にどんな求人が届いているのか、推薦を利用できる企業はあるのか。こうした情報は、企業候補を探すときのもう一つの入口になります。
ここで気をつけたいのは、「採用実績があるから受かりやすい」「学内求人があるから自分に合う」と考えないことです。
学内データは応募先を決める答えではなく、自分では見つけにくい企業や、大学と企業の関わりを知るための材料として使います。
この記事では、学内就活サイトでまず確認したい情報と、その情報を企業研究へつなげる方法を整理します。
この記事でわかること
- 学内就活サイトでまず確認したい情報
- 採用実績や学内求人を見るときの注意点
- 推薦やOB・OG情報を確認するときの考え方
- 学内情報から見つけた企業を次の企業研究へつなげる方法
大学の就活情報は「企業候補を見つける材料」
キャリアセンターというと、ES添削や面接練習、就職相談を思い浮かべる人もいるかもしれません。
そうした支援に加えて、企業を探すときに使えるのが、大学の中に蓄積されている就職情報です。
たとえば次のようなものです。
- 過去の就職実績
- 大学へ届いている求人
- 学内説明会
- 学校推薦・学科推薦の情報
- OB・OGに関する情報
外部の就活サイトでは企業を広く探せる一方、学内情報では、自分の大学や学部・専攻からどんな企業へ進んでいるのかを確認できます。
特に、就活を始めたばかりで候補企業が知っている名前に偏りがちな人は、過去の就職先を見てみると、これまで知らなかったメーカーやBtoB企業が見つかることがあります。
学内情報を見る目的は、「受かりやすい企業を探すこと」ではありません。企業を知る入口を一つ増やすことだと考えておくとちょうどよいでしょう。
学内就活サイトで確認したい5つの情報
大学によって学内就活サイトの名称や掲載内容は違いますが、利用できる場合は次の5つを確認してみてください。
すべてがそろっている必要はありません。まずは、自分の大学で何を確認できるのかを知るところから始めれば十分です。
① 採用実績・就職実績
最初に見ておきたいのが、過去の採用実績や就職実績です。
大学全体だけでなく、学部、学科、研究科、専攻などで絞って見られる場合は、自分に近い学生の就職先を確認してみます。
ここで見るのは、単純な就職者数だけではありません。
- 同じ専攻の学生がどんな業界へ進んでいるか
- 何年か続けて名前が出ている企業はあるか
- 知らなかった企業が含まれていないか
- 大手以外にどんな企業へ就職しているか
といった見方をすると、企業候補を広げる材料になります。
気になる企業を見つけたら、この段階では「もう少し調べてみる企業」として候補に加えておく程度でかまいません。
② 学内求人
学内求人は、大学に届いている求人情報です。
企業名だけを見るのではなく、
- 募集している職種
- 対象となる学部・専攻
- 勤務地
- 応募方法
- 自由応募か推薦応募か
- 応募期限
まで確認します。
同じ企業でも、募集対象となる専攻や職種によって、自分が応募できるかどうかは変わります。
また、学内求人があるからといって、必ず応募する必要もありません。
「自分の大学の学生を採用対象としている企業を知る」→「仕事内容や条件を確認する」という順番で見ると、候補として扱いやすくなります。
③ 学内説明会
大学内で企業説明会や合同説明会が行われることもあります。
学内説明会のよさは、もともと知っていた企業の話を聞けることだけではありません。参加企業の一覧を見ることで、自分の大学の学生と接点を持とうとしている企業を知るきっかけにもなります。
有名企業だけを見るのではなく、
- 自分の専攻と関係しそうか
- 興味を持てそうな技術や事業があるか
- どの職種を募集しているか
といった視点で参加企業を見てみると、これまで候補に入っていなかった企業が見つかることがあります。
「学内説明会に参加しているから選考で有利」と決めつけず、企業を知る機会の一つとして使うのがよいでしょう。
④ 推薦求人
理系では、大学や学科を通した推薦応募を利用できる場合があります。
学内サイトで推薦求人を見つけたときは、まず、
- どの企業・職種が対象か
- 自分の学科や専攻から利用できるか
- 応募期限はいつか
を確認します。
そのうえで推薦を実際に利用する場合は、大学や学科ごとのルールも確認しておきましょう。学内選考の有無や併願、辞退の扱いなどは一律ではないため、一般的な就活情報だけで判断しないほうが安全です。
この記事では推薦制度そのものを詳しくは扱いません。
推薦を使うか迷っている場合は、推薦応募の判断基準で、自由応募との違いも含めて考えてみてください。
⑤ OB・OG情報
大学によっては、卒業生が在籍している企業の情報や、OB・OG訪問に関する案内を確認できることがあります。
OB・OGの話からは、
- 実際に担当している仕事
- 配属後に経験したこと
- 学生時代の専攻と仕事のつながり
- 入社前に想像していた仕事との違い
など、企業サイトだけではイメージしにくい部分を知ることがあります。
ただし、一人の社員の経験がその会社全体を表しているわけではありません。
OB・OG情報は、「この会社はこういう会社だ」と決めつけるためではなく、仕事内容を具体的に考えるための一つの事例として受け取るのがよいでしょう。
採用実績や学内求人は「受かりやすさ」を示すものではない
採用実績に気になる企業が載っていたり、自分の大学へ求人が届いていたりしても、それだけで選考の難しさや自分との相性までは分かりません。
学内データを使うときは、数字や企業名だけを見るのではなく、そのデータが何を表しているのかも確認しておきます。
まずデータの範囲を確認する
採用実績や就職実績を見るときは、最初に次の点を確認します。
- どの年度のデータか
- 大学全体の実績か、学部・学科・研究科別か
- 内定した企業なのか、実際に入社した企業なのか
たとえば大学全体の実績に企業名があっても、自分と同じ専攻の学生が技術職で入社したとは限りません。
また、数年前には採用されていても、現在は募集する職種や採用方針が変わっている場合があります。
実績そのものは参考にしつつ、現在の募集内容とは分けて見るようにします。
企業名だけで判断しない
就職実績に企業名を見つけても、その名前だけで応募先を決めないようにします。
企業グループの場合、似た名前でも採用会社や仕事内容が違うことがあります。また、実績だけでは技術職で採用されたのか、別の職種なのか分からない場合もあります。
気になる企業を見つけたら、
「どの会社なのか」 「現在どの職種を募集しているのか」 「自分の専攻から応募できるのか」
を企業の採用情報で改めて確認します。
学内データは、詳しく調べる企業を選ぶための入口として使うくらいがちょうどよいです。
学内サイトだけで分からないことはキャリアセンターで確認する
学内就活サイトを見ても、情報の意味が分からなかったり、もう少し詳しく知りたかったりすることがあります。
その場合は、キャリアセンターや大学・学科の就職担当へ確認します。
「自分におすすめの会社を教えてください」と聞くより、知りたいことを具体的にして相談するほうが確認しやすくなります。
たとえば、
- この就職実績は大学全体か、学部別か
- 過去に自分と同じ学科・研究科から就職した実績があるか
- 推薦求人を利用する場合、どんなルールがあるか
- 学内説明会や専攻向けの企業イベントがあるか
- OB・OG訪問に利用できる仕組みがあるか
といった聞き方です。
大学によって保有している情報や確認できる範囲は違うため、すべてに回答が得られるとは限りません。それでも、学内サイトだけでは意味が分かりにくい情報を確認する窓口として利用できます。
キャリアセンターに進路を決めてもらう必要はありません。
自分だけでは確認しにくい情報を補う場所として使うと、企業研究にうまくつなげられます。
学内情報で企業を見つけたら、次は企業研究へ
学内情報から気になる企業を見つけても、その段階で「応募したい会社」と決める必要はありません。
まずは、もう少し調べてみる企業として候補に残します。
学内情報から候補を見つける
就職実績、求人、学内説明会などを見て、
「こんな企業があったのか」 「自分の専攻からこういう業界にも進んでいるのか」
と気づいた企業を拾います。
仕事内容や技術に興味を持てそうな企業から見ていけばよいでしょう。
企業の公式情報で現在の内容を確認する
次に、企業の採用ページなどで、
- 事業内容
- 募集職種
- 対象となる専攻
- 勤務地
- 配属
- 応募方法
を確認します。
学内に過去の実績があっても、現在の募集内容とは違うことがあります。逆に、過去の実績に名前がなくても、現在応募できる企業もあります。
そのため、学内データで過去の就職先や求人を知り、企業の公式情報で現在の募集内容を確認するという使い分けを意識しておきましょう。
候補に残った企業を企業研究へ回す
仕事内容や応募条件を確認して、「もう少し知りたい」と思えた企業は、通常の企業研究へ進めます。
ここから先は、学内求人で見つけた企業か、外部サイトで見つけた企業かを分ける必要はありません。
具体的な進め方は、17 企業研究の5ステップで順番に整理しています。
学内情報だけで応募先を決めない
学内情報には、自分では知らなかった企業や、同じ大学・専攻の学生が進んでいる企業を見つけやすいという良さがあります。
一方で、学内サイトに載っている企業だけが、自分の選択肢ではありません。
企業によって大学との関わり方は違いますし、外部の就活サイトや企業の採用ページから見つかる企業もあります。
また、
「先輩が何人も入社しているから」 「大学へ求人が来ているから」 「推薦枠があるから」
という理由だけでは、自分に合う企業かどうかまでは分かりません。
学内情報で候補を見つけた後は、ほかの企業と同じように、
- 仕事内容
- 職種
- 勤務地
- 配属
- 働き方
- 自分が企業選びで重視する条件
を確認して判断します。
何を基準に企業を残すか迷う場合は、理系の企業選びの基準で、自分が重視したい条件を整理してみてください。
学内データは「ここへ就職したほうがよい」と答えを出してくれるものではありません。
自分一人で企業を探していたときには見えなかった候補を増やし、その後の企業研究につなげるために使う。
そのくらいの位置づけが、企業選びでは使いやすいと思います。
まとめ|学内情報は、自分では見つけにくい企業を知るために使う
大学のキャリアセンターや学内就活サイトでは、過去の就職実績、学内求人、説明会、推薦、OB・OGなど、外部サイトとは違う情報を確認できます。
まず学内情報から気になる企業を見つけ、現在の募集内容を公式情報で確かめる。そのうえで、通常の企業研究や企業比較へ進みます。
採用実績や学内求人だけで応募先を決めるのではなく、企業を探す入口を一つ増やすために学内情報を使う。
この考え方で利用すると、キャリアセンターや学内就活サイトを企業研究の中へ自然に取り入れやすくなります。
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