理系就活を始めると、まずは外部の就活サイトや企業の採用ページを見る人が多いと思います。
インターンを探す。説明会に申し込む。気になる企業の採用情報を確認する。
今は大学を通さなくても、就活に必要な情報の多くを集められます。そのため、キャリアセンターや学内就活サイトをほとんど使わないまま進める人も珍しくありません。
もちろん、外部サイトを中心に就活を進めること自体は問題ありません。
ただ、大学の中でしか確認できない情報もあります。
たとえば、
- 自分の大学や学部から採用された実績がある企業
- 大学に直接届いている求人
- 学内説明会に参加する企業
- 学校推薦や学科推薦を利用できる企業
- 卒業生が在籍している企業
といった情報です。
これらは、ただ企業名を増やすための情報ではありません。
「自分の大学や専攻と、その企業にどのような接点があるか」を見るための材料です。
とはいえ、採用実績があるから受かりやすい、学内求人があるから自分に合っている、というわけでもありません。
学内データは、応募先を決めてくれる答えではなく、企業候補を見つけて比較するために使うものです。
この記事では、キャリアセンターと学内就活サイトで何を確認し、その情報を企業選びにどうつなげるかを整理します。
就活全体の進め方がまだ見えていない場合は、先に理系就活スタートガイドを読んでおくと、学内情報を使うタイミングも考えやすくなります。
この記事で判断できること
- 学内就活サイトで確認したい情報
- 採用実績と学内求人の読み方
- 推薦情報を見るときの注意点
- 学内情報と外部就活サイトの使い分け
- キャリアセンターで確認するとよいこと
キャリアセンターは学内データを見る入口として使える
キャリアセンターというと、ESを添削してもらったり、面接練習をしたりする場所という印象があるかもしれません。
そのような使い方もできますが、理系学生の企業選びでは、学内データを見る入口としても役立ちます。
企業は、すべての大学に同じように採用活動をしているわけではありません。
特定の大学へ継続的に求人を出していたり、ある学科や研究科を対象に説明会を開いていたり、過去に何人も採用していたりすることがあります。
こうした大学と企業の接点は、一般の就活サイトだけを見ていても分かりません。
外部サイトではあまり目立たない中堅メーカーやBtoB企業が、自分の大学から継続的に採用していることもあります。
企業候補が有名企業に偏っている人や、自分の専攻とつながる企業を探したい人は、一度学内情報を確認してみるとよいと思います。
特に、
- メーカーや技術職を中心に見ている
- 知っている企業が少なく、候補を広げにくい
- 同じ専攻の先輩がどのような企業へ進んでいるか知りたい
- 推薦応募を使うか迷っている
- 中堅メーカーやBtoB企業も見てみたい
という人にとって、学内データは企業選びを進める手がかりになります。
学内就活サイトで確認したい5つの情報
学内就活サイトへログインしても、求人一覧だけを見て終わる人は多いかもしれません。
ただ、大学によっては、ほかにも企業選びに使える情報が掲載されています。
サイトの名称や項目は大学ごとに異なりますが、次の5つがないか確認してみてください。
採用実績・就職実績
まず見ておきたいのが、過去の採用実績や就職実績です。
大学全体の実績だけでなく、学部、学科、研究科、専攻ごとに確認できる場合もあります。
ここでは、単純な就職者数を見るだけではありません。
- どのような業界へ進んでいるか
- 同じ専攻の先輩がどの企業へ入社しているか
- 複数年にわたって名前が出ている企業があるか
- 大手企業以外にどのような企業があるか
といった視点で見ていきます。
毎年のように就職者が出ている企業があれば、その大学や専攻と何らかの接点がある可能性があります。
ただし、採用実績は合格可能性を示す数字ではありません。
年度や学部、職種なども確認しながら、企業候補を見つける材料として使うのがよいでしょう。
学内求人
学内求人は、企業から大学へ直接届いている求人情報です。
一般の就活サイトにも掲載している企業もあれば、特定の大学や学科に向けて案内している企業もあります。
学内求人があるということは、少なくともその企業が、大学の学生を採用対象として見ているサインの一つです。
ただ、求人が来ているから選考に通りやすいとは限りません。
企業名だけを見るのではなく、
- 募集している職種
- 対象となる学部や専攻
- 勤務地
- 応募方法
- 自由応募か推薦応募か
- 応募期限
まで確認しておきましょう。
同じ企業でも、募集職種や対象専攻によっては、自分が応募できない場合もあります。
「企業を知る」だけで終わらず、自分が応募できる求人なのかまで見ると、候補として扱いやすくなります。
学内説明会
学内説明会には、その大学の学生と接点を持ちたい企業が参加します。
大規模な合同説明会だけでなく、学科や研究科を対象にした説明会が開かれることもあります。
これまで名前を知らなかった企業でも、学内説明会をきっかけに仕事内容を知ることがあります。
参加企業を見るときは、有名企業だけを選ぶのではなく、
- 自分の専攻と関係がありそうか
- どの職種を募集しているか
- 学外では見つけにくい企業ではないか
という視点も持っておくと、選択肢が広がります。
学内説明会に参加していること自体が、選考上の有利さを保証するわけではありません。
それでも、企業候補を増やすきっかけとしては使いやすい情報です。
推薦求人
理系就活では、学校推薦や学科推薦を利用できる場合があります。
推薦求人を見つけたら、企業名だけでなく、利用条件まで確認しておきましょう。
推薦には、
- 応募できる人数
- 学内での選考方法
- 自由応募との併願可否
- 内定後の辞退可否
- 推薦状を提出する時期
など、独自のルールがあります。
大学、学科、企業によって扱いが異なるため、インターネット上の一般論だけでは判断しにくい部分です。
推薦を使う可能性がある場合は、キャリアセンターや就職担当の教員に、自分の大学でのルールを確認しておくと安心です。
まだ志望度が固まっていない段階では、「推薦求人があるから」という理由だけで申し込む必要はありません。
自由応募との違いや、内定後の扱いまで理解したうえで考えていきましょう。
OB・OG情報
大学によっては、企業に在籍している卒業生の情報や、OB・OG訪問の案内が用意されています。
企業の採用ページを見れば、事業内容や制度は確認できます。
一方で、
- 実際にどのような仕事をしているか
- 配属後にどのような経験を積んだか
- 研究内容と仕事がどうつながったか
- 入社前のイメージと違った点
といった内容は、卒業生の話から見えてくることもあります。
ただし、1人の経験がその企業全体を表しているわけではありません。
OB・OGの話は、公式情報だけでは分からない部分を補う一つの事例として受け取るのがよいと思います。
採用実績や学内求人は「受かりやすさ」を示すものではない
学内サイトで採用実績や求人を見つけると、「自分も受かりやすいのではないか」と感じることがあります。
ただ、そこから分かるのは、基本的には大学と企業に接点があるということです。
選考の通過可能性まで判断できるわけではありません。
採用実績を見るときは、数字や企業名だけでなく、次の点も確認しておきましょう。
データの年度を確認する
数年前には採用があっても、現在は募集職種や採用方針が変わっていることがあります。
複数年の実績を確認できる場合は、最近も継続して採用されているかを見てみてください。
古い実績だけで候補から外す必要もありませんが、現在の採用情報とは分けて考える必要があります。
大学全体か学部別かを確認する
大学全体の就職実績に企業名があっても、自分と同じ学部や専攻から採用されているとは限りません。
理系学生が技術職で入社したのか、別の学部から事務系職種で入社したのか分からないデータもあります。
集計範囲が表示されている場合は、最初に確認しておくと、実績を読み違えにくくなります。
内定実績か入社実績かを確認する
大学によっては、学生から報告された内定先を集計している場合と、実際の入社先を集計している場合があります。
内定実績の場合は、辞退した企業が含まれている可能性もあります。
数字を見る前に、そのデータが何を示しているのかを確認しておくと安心です。
グループ会社の表記に注意する
企業グループによっては、親会社名でまとめられていたり、採用会社ごとに分かれていたりします。
似た企業名でも、仕事内容や勤務地が異なることがあります。
採用実績を見つけた後は、どの会社や職種で採用されているのかを公式情報で確認してみてください。
採用実績は、応募を決めるための答えではありません。
気になる企業を見つける入口として使い、その後に仕事内容や勤務地、配属、働き方まで見ていく流れが自然です。
キャリアセンターで確認するとよいこと
学内サイトを見ても分からないことが残る場合は、キャリアセンターで確認できます。
なんとなく「おすすめの企業を教えてください」と聞くよりも、知りたいことを具体的にしたほうが、必要な情報を得やすくなります。
データの集計範囲
就職実績が大学全体なのか、学部や学科別なのか分からない場合は、確認してみてください。
職種や採用区分まで分かる資料が、学内サイトとは別に用意されていることもあります。
特定企業の過去の採用状況
気になる企業について、過去にどの学部や研究科から採用されたか分かる場合があります。
ただし、個人情報の関係で、回答できる範囲は大学によって異なります。
「この企業は受かりやすいですか」と聞くよりも、
過去に自分と同じ学部や専攻から就職した実績はありますか
と聞くほうが、確認したいことが伝わりやすいと思います。
推薦のルール
推薦応募を考えている場合は、自分の大学や学科でどのようなルールになっているかを確認しておきましょう。
特に、
- 推薦決定後に辞退できるか
- 他社と併願できるか
- 自由応募から推薦へ切り替えられるか
- 学内選考があるか
は、応募後に知ると判断に迷いやすい部分です。
大学や企業によって扱いが異なるため、応募前に確認しておくほうが安心です。
学内説明会や企業イベント
学内サイトでは見つけにくい説明会や、学科向けの企業イベントが予定されていることもあります。
自分の専攻に関係するイベントがないか、キャリアセンターや学科の就職担当へ聞いてみる方法もあります。
OB・OG訪問の方法
大学を通して卒業生へ連絡できる場合は、利用手続きや連絡時のルールを確認します。
いきなり個人へ連絡するのではなく、大学が用意した仕組みに沿って進めるほうが安心です。
キャリアセンターに進路を決めてもらう必要はありません。
自分では見つけにくい学内情報を補い、企業を判断する材料を増やす場所として使うとよいでしょう。
学内データを企業選びに使う進め方
採用実績や学内求人を見ても、企業名を眺めるだけでは応募先の候補になりません。
ここからは、学内情報を実際の企業選びへつなげる流れを見ていきます。
1.自分の学部・専攻の就職実績を見る
まずは、自分の学部、研究科、学科、専攻に近い就職実績を確認します。
どの企業が多いかだけでなく、業界や職種の傾向も見てみてください。
ここで初めて知った企業があれば、ひとまず候補リストへ加えます。
この段階で、応募するかどうかまで決める必要はありません。
「少し調べてみたい」と思える企業を見つけられれば十分です。
2.学内求人と説明会を確認する
次に、現在届いている学内求人と学内説明会を見ます。
過去の採用実績にも名前があり、今年も求人や説明会がある企業なら、大学との接点が続いている可能性があります。
一方で、過去の実績がなくても、今年から新しく求人を出している企業もあります。
採用実績がないという理由だけで、すぐ候補から外す必要はありません。
過去の実績と現在の求人は、それぞれ別の情報として見ていきましょう。
3.気になる企業を候補リストへ加える
学内情報から見つけた企業のうち、
- 技術や製品に興味を持てる
- 自分の専攻から応募できる職種がある
- 勤務地が希望から大きく外れていない
と感じる企業を候補に加えます。
学内求人があるから必ず応募する、という考え方ではありません。
この段階では、詳しく調べる企業を見つけることが目的です。
4.公式サイトと外部就活サイトで情報を補う
学内情報だけでは、仕事内容や働き方まで分からないことがあります。
候補に加えた企業について、
- 公式採用ページ
- 事業内容
- 募集職種
- 勤務地
- 配属方法
- 選考方法
を確認していきます。
同じ業界の企業を外部就活サイトで探し、比較する企業を増やしても構いません。
学内データで大学と接点のある企業を見つけ、外部情報で視野を広げるという使い方です。
公開情報を比較表にまとめる作業には、AIも使えます。
ただし、募集条件や勤務地は変わる可能性があります。最終的な確認は、企業の公式採用ページで行ってください。
5.同じ項目で企業を比較する
候補が集まったら、企業を同じ項目で並べます。
たとえば、
- 仕事内容
- 技術分野
- 募集職種
- 勤務地
- 配属
- 働き方
- 採用方法
といった項目です。
学内求人だから優先するのではなく、外部サイトで見つけた企業も同じ基準で比べます。
そうすると、「学内求人に載っているから良さそう」という印象だけではなく、自分に合うかどうかを考えやすくなります。
詳しい比較方法は、理系の企業比較のやり方で整理しています。
学内データだけで企業を決めない
学内データには、大学と企業の接点を確認できる良さがあります。
一方で、学内サイトに載っている企業がすべてではありません。
すべての企業が大学へ求人を出すわけではなく、外資系企業やベンチャー企業、新しい企業などは、あまり掲載されていない場合もあります。
また、大学との接点が強い企業ばかりを見ていると、企業選びが過去の就職実績に偏ることもあります。
学内データは、選択肢を狭めるためではなく、これまで知らなかった企業を候補に加えるために使うほうがよいでしょう。
それぞれの情報源には、次のような役割があります。
| 情報源 | 主な役割 |
|---|---|
| 学内就活サイト | 大学や専攻と接点のある企業を見つける |
| 企業の公式サイト | 最新の事業内容・職種・募集条件を確認する |
| 外部就活サイト | 同業他社や新しい候補を広げる |
| 口コミ・OB・OG情報 | 公開情報だけでは分からない部分を補う |
一つの情報源だけで企業を決めるのではなく、それぞれの情報を組み合わせて考えていきます。
キャリアセンター・就活サイト・エージェントの役割を分ける
就活に使えるサービスが増えると、「結局どれを使えばよいのか」と迷う人も多いと思います。
ただ、どれか一つに絞る必要はありません。
それぞれ得意なことが違います。
キャリアセンターや学内就活サイトは、自分の大学や専攻と企業の接点を確認するために使います。
外部就活サイトは、学内情報には出てこない企業を探し、選択肢を広げるために使います。
就活エージェントは、自分だけでは候補を広げにくい場合や、求人や選考情報を個別に補いたい場合に使う方法があります。
ただし、エージェントから紹介された企業も、そのまま応募先にする必要はありません。
学内求人と同じように、自分の基準で比べてから判断します。
エージェントを使うか迷っている場合は、就活エージェントは使うべきか?で、自分に必要かどうかを整理してみてください。
まとめ:学内データは企業候補を作るために使う
キャリアセンターや学内就活サイトには、外部の就活サイトだけでは確認できない情報があります。
特に、
- 自分の大学や専攻からの就職実績
- 大学へ届いている求人
- 学内説明会
- 推薦求人
- OB・OG情報
は、大学と企業の接点を知る材料になります。
ただし、採用実績や学内求人があっても、合格しやすいことや、自分に合う企業であることが保証されるわけではありません。
学内データで企業候補を見つけたら、公式サイトや外部就活サイトで情報を補い、同じ項目で比較していきます。
流れをまとめると、
学内データで接点のある企業を見つける
↓
外部情報で候補と情報を補う
↓
企業を比較する
↓
自分で応募先を決める
となります。
キャリアセンターに進路を決めてもらうのではなく、自分では見つけにくい情報を補うために使う。
このくらいの距離感で利用するのが、進めやすいと思います。
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