就活でAIに個人情報を渡すときの考え方|安全に使う判断基準

AIにESを見てもらったり、自己分析の壁打ちをしたりしていると、「この情報まで入力して大丈夫だろうか」と迷うことがあります。

大学名や企業名だけでなく、研究内容、企業から届いたメール、選考状況など、就活ではさまざまな情報を扱います。詳しく伝えたほうが相談しやすそうに見えますが、すべてをそのまま入力する必要はありません。

大切なのは、「個人情報だから全部入れない」と一律に考えることでも、「AIだから何を入れても大丈夫」と考えることでもありません。まずその情報が相談に本当に必要なのかを考え、必要なら特定されにくい形へ置き換えるほうが扱いやすくなります。

この記事では、就活でAIを使うときに、どの情報をそのまま使い、どの情報をぼかし、どの情報は入力を避けたほうがよいのかを判断する基準を整理します。

この記事でわかること

  • AIへ情報を入力する前に確認したいこと
  • そのまま使う・ぼかす・入力を避ける情報の分け方
  • 必要な文脈を残しながら個人情報を減らす方法
  • 研究内容や企業から受け取った情報を扱うときの考え方

AIに情報を入れる前に「本当に必要か」を考える

AIに相談するとき、最初に考えたいのは「この情報がなくても相談できないか」です。

たとえば自己PRの構成を整理してもらう場合、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、学生番号などは、ほとんどの場合なくても相談できます。

必要なのは、

  • どのような経験をしたか
  • そのとき何を考えたか
  • どのように行動したか
  • 何を伝えたいのか

といった、相談内容を考えるための材料です。

本人を特定するための情報と、相談するために必要な情報は同じではありません。

そのため、最初から詳しい情報をすべて入れるのではなく、まず不要な固有名詞や個人情報を外した状態で相談してみるとよいでしょう。それでも情報が足りないと感じたときだけ、必要な範囲を追加すれば十分です。

AIに渡す情報は3段階で考える

何を入力してよいか迷ったときは、「比較的相談に使いやすい情報」「必要に応じてぼかす情報」「原則としてそのまま入力しない情報」の3段階に分けると整理しやすくなります。

分け方
比較的相談に使いやすい自分の考え、一般化した経験、公開されている企業情報、一般的な業界・職種情報
必要に応じてぼかす大学名、企業名、研究室名、具体的な研究テーマ、選考状況
原則としてそのまま入力しない氏名・住所・連絡先・学生番号、第三者の個人情報、企業や研究室の非公開情報、未公開の研究データ

この分け方も絶対的な線引きではありません。大切なのは、「相談にその情報が必要なのか」「公開されている情報なのか」をそのつど確認することです。

比較的相談に使いやすい情報

自分の考えや、個人を特定しにくい形にした経験、すでに一般公開されている企業情報などは、比較的相談に使いやすい情報です。

たとえば、

「理系院生で、研究活動の中で実験方法を改善した経験があります」

「メーカーの技術職を考えています」

「チームで装置の改善に取り組んだ経験を自己PRとして整理したいです」

といった内容であれば、具体的な大学名や研究室名を入れなくても、経験や考えを整理できます。

必要に応じてぼかす情報

大学名、企業名、研究室名、具体的な研究テーマ、選考状況などは、相談内容によっては役立つことがあります。

ただし、固有名詞そのものが必要とは限りません。

たとえば、

「〇〇大学」→「地方国公立大学」

「〇〇株式会社」→「素材メーカー」

「〇〇研究室」→「材料系の研究室」

のように置き換えても、相談に必要な文脈は残せることがあります。

AIへ詳しく伝えることよりも、「何について相談したいのか」を明確にしたほうが、必要以上の情報を渡さずに済みます。

原則としてそのまま入力しない情報

氏名、住所、電話番号、メールアドレス、学生番号など、本人を直接特定しやすい情報は、就活相談のために入力する必要がある場面は多くありません。

また、自分以外の人の個人情報や、企業・研究室から受け取った非公開情報にも注意が必要です。

たとえば、

  • 友人や社員の氏名・連絡先
  • 顔写真付きの応募書類や成績証明書など、個人情報を多く含む書類
  • 企業から個別に届いた非公開資料
  • 研究室の未公開データ
  • 共同研究先に関する情報
  • 公開されていない選考資料

などです。

「自分が持っている情報だから入力してよい」とは限りません。自分以外の人や組織が関わる情報は、特に慎重に扱ったほうがよいでしょう。

迷ったときに確認したい3つの基準

情報ごとの例をすべて覚える必要はありません。迷ったときは、次の3つを順番に確認すると判断しやすくなります。

1. その情報がなくても相談できないか

最初に確認したい基準です。

自己PRを整えたいだけなら、大学名や氏名がなくても相談できることがあります。面接準備でも、面接官の氏名や企業から届いたメール全文まで必要とは限りません。

迷ったら、まず固有名詞や個人情報を外してみます。

それでも相談に必要な情報が足りないと感じた場合だけ、「何を追加すればよいか」を考えるほうが、最初からすべて入力するよりすっきり整理できます。

2. 自分以外の人や組織の情報を含んでいないか

就活では、自分の情報だけを扱っているとは限りません。

友人の選考状況、社員から個別に聞いた内容、インターンで知った情報、研究室の共同研究情報など、自分以外の人や組織が関わる情報もあります。

AIへ入力する前に、

「これは自分だけの情報か」 「他人の個人情報が入っていないか」 「企業や研究室から預かっている情報ではないか」

を確認しておくと見分けやすくなります。

3. 公開してよい情報か

同じ企業情報や研究情報でも、すでに公開されているものと、限られた人だけに共有されているものでは扱いが異なります。

企業の公式サイトに掲載されている情報と、選考中に個別でもらった資料は同じではありません。

研究でも、すでに公開されている内容と、未発表データや共同研究に関わる情報は分けて考える必要があります。

迷った場合は、「一般に公開されている情報か」という視点を一度入れてみてください。

必要な文脈を残したまま情報を減らす方法

情報を守ろうとして何も伝えなくなると、AIへ相談しにくくなります。

そこで、単純に情報を削るだけでなく、相談に必要な意味を残したまま置き換える方法を使います。

固有名詞を属性に置き換える

企業名や大学名そのものが必要でなければ、特徴がわかる表現へ置き換えられます。

「〇〇大学」→「地方国公立大学」

「〇〇株式会社」→「大手素材メーカー」

「〇〇研究室」→「材料系の研究室」

「〇〇教授」→「指導教員」

就活相談では、固有名詞そのものより、「どのような立場で、何について相談したいのか」がわかれば十分なこともあります。

細かな数字は必要な範囲にとどめる

相談の段階では、細かい数字が必要でない場合もあります。

「インターン参加者17人」→「十数人規模のインターン」

「研究室メンバー8人」→「小規模な研究室」

といった形でも、話の意味は残せます。

もちろん、実際のESや面接で正確な数字を使う場合は、最後に元の情報へ戻して確認します。

書類やメールは全文でなく要点だけ伝える

企業から届いたメールについて相談したい場合も、全文をそのまま貼る以外の方法があります。

たとえば、

「オンラインで30分の一次面接があり、研究内容・ガクチカ・志望理由を中心に聞かれる予定です。準備する質問を整理したいです」

と要点だけ伝えれば、面接準備について相談できます。

ESについても、まず「研究説明の部分が長いので構成を整理したい」など、何を直したいのかを伝えてから、必要な部分だけ使う方法があります。

研究内容を相談するときは公開範囲を確認する

理系学生の場合、研究内容をAIで整理したい場面もあります。

研究概要を専門外の人にもわかるようにしたい、面接で話す順番を整えたい、といった使い方です。

一方で、研究には公開範囲を確認したほうがよい情報もあります。

たとえば、

  • 未発表のデータ
  • 共同研究先に関する情報
  • 研究室独自のノウハウ
  • 論文発表前の内容
  • 特許などに関係する情報
  • 企業との共同研究に含まれる具体的な情報

などです。

研究内容を相談するときは、詳しく伝えることを優先するのではなく、まず「公開してよい範囲で説明できないか」を考えます。

たとえば、

「材料系の研究で、条件の違いによる結果を比較しています。専門外の面接官にも伝わるように、研究概要の説明順を整理したいです」

という程度でも、説明の構成について相談できます。

具体的な研究室名、共同研究先、未公開データなどを入れなくても、面接での伝え方を整理できる場合があります。

研究室や共同研究先で情報の扱いについて決まりがある場合は、その範囲を優先して考える必要があります。

AIへ入力する前のチェックリスト

AIに就活相談をする前に迷ったら、次の項目を確認してみてください。

  • 氏名・住所・電話番号・メールアドレスなどを必要なく入れていないか
  • 大学名・企業名・研究室名などの固有名詞は本当に必要か
  • 友人や社員など、自分以外の個人情報を含んでいないか
  • 企業・研究室・共同研究先などの非公開情報を含んでいないか
  • 書類やメールを必要以上にそのまま貼ろうとしていないか
  • その情報を削ったり、ぼかしたりしても相談できないか

すべての情報について迷うたびに細かいルールを調べるより、まず「これを削っても相談できるか」から考えるほうがシンプルです。

AIには、相談に必要な情報だけを渡す

AIを使うために、自分の情報をすべて詳しく伝える必要はありません。

相談したいことを整理し、そのために必要な情報だけを残す。固有名詞が不要なら置き換える。自分以外の個人情報や、企業・研究室などの非公開情報が含まれていないかを確認する。

この流れを一度身につけておくと、ES、自己分析、面接準備など、AIを使う場面が変わっても同じ考え方で判断できます。

迷ったときは、

その情報は本当に必要か 自分以外の情報を含んでいないか 公開してよい情報か

の3つへ戻って確認してみてください。

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