ESに書きたい経験や考えはあるのに、文章にしようとすると手が止まってしまう。そんなときは、AIにたたき台を作ってもらう方法があります。
自分の経験を箇条書きで伝えれば、文章の順番を考えたり、指定された文字数にまとめたりする作業を手伝ってもらえます。
ただし、AIが作った文章には、実際にはしていない行動が加わったり、自分では考えていなかった強みが書かれたりすることもあります。
AIでESのたたき台を作るときは、次の3つの条件を守ってください。
- 経験にない内容を付け加えない
- 強みや志望動機は自分で決める
- 面接で自分の言葉で説明できるか確かめる
この記事では、3つの条件と、実際にAIへESのたたき台を頼む方法を紹介します。
条件1|経験にない内容を付け加えない
AIにESを作ってもらうとき、最初に気をつけたいのは、元の経験にない行動や成果が書かれていないかどうかです。
例えば、実際の経験が次の内容だったとします。
アルバイトで後輩への引き継ぎ方法を見直した。
これをAIに文章化してもらったところ、次のようになったとします。
周囲を巻き込みながらチーム全体の業務改善を主導し、大きな成果につなげた。
実際に周囲と協力して改善を進めたのであれば問題ありません。しかし、自分一人で引き継ぎの手順を見直しただけなら、「周囲を巻き込んだ」「チーム全体の改善を主導した」という説明は事実と違います。「大きな成果」という表現も、実際に確認できた結果に合わせる必要があります。
ESでは、経験を立派に見せることより、実際に何を考え、どのように行動したのかが伝わることが大切です。文章が自然でも、事実と違う内容が含まれていれば、面接で詳しく質問されたときに困ってしまいます。
条件2|強みや志望動機は自分で決める
同じ経験でも、そこから伝えられる強みは一つとは限りません。
例えば、研究で実験結果のばらつきを減らすために、測定条件や記録方法の改善に取り組んだ経験なら、次のような強みが考えられます。
- 粘り強く検証を続ける力
- 結果を比較できるように検証方法を工夫する力
- 記録を残して再現できる形にする力
AIに候補を出してもらうと、自分では気づかなかった強みが見つかることもあります。
ただし、どの強みをESで伝えるかは、自分で決めましょう。
例えば、検証を続けたことより、検証方法を工夫したことに自信があるなら、そこを中心に書いた方が自分らしい内容になります。
志望動機も同じです。
AIに企業の特徴と自分の経験との接点を探してもらうことはできます。しかし、その企業に興味を持った理由や入社後に取り組みたい仕事は、自分の考えが中心になります。
AIには候補を出してもらい、どれを使うかは自分で選ぶ。 この使い方なら、自分の考えを残したまま文章を作れます。
条件3|面接で自分の言葉で説明できるか確かめる
AIで整えた文章は、読みやすくても、自分では普段使わない言葉が入っていることがあります。
例えば、「課題解決に向けて主体的に取り組んだ」と書かれていても、具体的に何をしたのか説明できなければ、面接で困ってしまいます。
ESを書き終えたら、次の質問に答えられるか試してみてください。
- 具体的に何をしたのか
- なぜその方法を選んだのか
- 一番苦労したことは何か
- その経験から何を学んだのか
完成した文章を声に出して読むと、言い回しの違和感にも気づきやすくなります。
「自分ならこんな言い方はしない」「少し大げさに感じる」という部分があれば、普段使う言葉に直して構いません。
また、AIに面接官役を頼む方法もあります。
以下のESを読んだ面接官が、行動や考えを詳しく聞くために質問しそうな内容を5つ挙げてください。回答例は作らず、質問だけを示してください。
出てきた質問に、ESを見ずに答えてみます。
うまく答えられないところがあれば、元の経験を振り返ってみてください。文章が実際の経験より大きくなっていたり、行動した理由が十分に書けていなかったりすることに気づけます。
AIにESのたたき台を頼む方法
3つの条件を踏まえて、実際にAIへたたき台を頼む手順を紹介します。
1.経験や考えを箇条書きにする
最初から文章を完成させる必要はありません。ESに使いたい経験や考えを箇条書きにします。
例えば、次の内容です。
- どのような状況だったか
- 何が問題だったか
- 自分はどう考えたか
- 実際に何をしたか
- どのような結果になったか
- 伝えたい強みや志望動機(決まっている場合)
条件2の研究経験なら、「状況:実験結果にばらつきがあった」「行動:測定条件と記録方法を見直した」のように書きます。
「課題解決力があります」といった評価だけを伝えるより、実際の行動を具体的に書いた方が、経験に合った文章を作りやすくなります。
AIに入力する情報にも注意しましょう。
研究室の未公開データや共同研究先の秘密情報、他人の個人情報などは入力を避けてください。応募先からAIの利用について指示がある場合は、そのルールにも従ってください。
入力する情報の判断に迷ったら、就活でAIに個人情報を渡すときの考え方を参考にしてください。
2.AIに依頼して、たたき台を作る
材料が用意できたら、AIに文章化を頼みます。
次の依頼文は、自己PRやガクチカなど、さまざまなESの設問に使えます。
AIへの依頼文の例
以下の材料をもとに、ESのたたき台を作ってください。
【設問】
ここにESの設問を入力
【文字数】
300字以内
【守ってほしいこと】
- 書かれていない経験、行動、成果、数値、考えは追加しない
- 私が指定した強みや志望動機を勝手に変更しない
- 不足している情報があれば、推測せずに文章を作る前に質問する
- 元の意味を変えず、読みやすい文章にする
- 専門用語は必要に応じて分かりやすく説明し、技術的な意味は変えない
【材料】
ここに自分の経験や考えを箇条書きで入力
設問や文字数は、実際の応募先に合わせて変更してください。
まだ強みや伝えたい内容が決まっていない場合は、文章を作る前にAIに候補を出してもらい、自分で選んでから依頼すると進めやすくなります。
3.出てきた文章を自分で修正する
AIから文章が返ってきたら、元の材料と見比べて、事実と違う表現がないか確かめます。
例えば、「実験結果のばらつきを減らすために測定条件を見直した」という経験が、「実験結果のばらつきを大幅に減らした」と書き換えられていたら、確認できていない成果を削除します。
反対に、自分が工夫した部分が省略されているなら、その内容を追加してもらいます。
文章の順番が分かりにくい場合や、文字数が多すぎる場合は、AIにもう一度修正を頼んでも構いません。
最後に、設問に答えているか、指定文字数に収まっているか、誤字脱字がないかも見直してください。
提出前に確認したい3つの項目
AIで作ったESを提出する前に、次の3点をチェックしてください。
| 確認項目 | チェックする内容 |
|---|---|
| 事実 | 経験・行動・成果・数値が実際の内容と合っているか |
| 判断 | 強みや志望動機が自分の考えと合っているか |
| 説明 | 面接で質問されても自分の言葉で答えられるか |
どれかに違和感がある場合は、元の経験や考えに戻って文章を見直します。
自分だけでESを仕上げるのが難しい場合
AIでたたき台を作っても、文章のどこを直せばよいか分からないことがあります。
その場合は、大学のキャリアセンターなどで第三者に見てもらう方法があります。
また、企業紹介も受けながら応募先に合わせたES・面接対策を進めたい人には、就活エージェントという選択肢もあります。
就活エージェントは、基本的に企業紹介とその企業の選考支援を組み合わせたサービスです。ESの添削だけが目的なら、まず大学のキャリアセンターなどに相談してみてください。
自分でできる対策と、エージェントを使う目安については、次の記事で紹介しています。
ES・面接対策が不安な理系学生へ|自分でできる対策と就活エージェントを使う目安
さらにES対策を進めたい人へ
AIでたたき台を作ったあと、ES全体の書き方や設問ごとの考え方を確認したい人は、次の記事を参考にしてください。
自己PRに使う経験や強みを選び、AIと一緒に文章を仕上げたい人には、こちらの記事が役立ちます。

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