「学歴で不利なのでは」と思った時の考え方
就活を始めると、学歴フィルターという言葉が気になることもあります。
「自分の大学だと、大手は厳しいのかな」
「有名大学でないと、書類で落とされるかな」
このように思うのは自然な流れです。
SNSや口コミを見ていると、
「〇〇大学以下は難しい」
「大手は学歴で切られる」
といった言葉が目に入ることもあるかもしれません。
こうした情報を見ると、不安になるのは自然なことです。
ただ、ここで考えたいのは、学歴フィルターがあるかないかだけではありません。
本当に考えないといけないことは、
自分の大学や近い大学から、どの企業に採用実績があるのか
という部分です。
学歴フィルターの影響を受けやすい企業はあります。
一方で、大学名だけではなく、専攻、研究内容、職種理解、企業との相性を見てくれる企業もあります。
つまり、考えるべきなのは、
「自分の学歴で詰んでいるかどうか」
ではなく、
「自分の大学・専攻・状況で、どこに勝ち筋があるか」
です。
この記事では、学歴フィルターを必要以上に怖がるのではなく、採用実績校を使いながら、狙う企業をどう整理すればよいかを考えていきます。
就活全体の流れがまだ見えていない人は、先に 理系就活スタートガイド を読んでおくと、この後の企業選びも整理しやすくなります。
学歴フィルターが起きやすい原因
まず前提として、学歴フィルターは存在すると考えておいた方が現実的です。
ただ、すべての企業で同じように起きているわけではありません。
ここを分けて考えないと、必要以上に不安が大きくなってしまいます。
学歴フィルターが起きやすい企業
学歴フィルターが起きやすいのは、応募が集中する企業です。
たとえば、次のような企業です。
- 知名度が高い大手企業
- 学生人気が高い企業
- BtoCで名前を知っている人が多い企業
- 事務系総合職で応募者がかなり多い企業
- 短期間で大量の応募を処理する必要がある企業
こうした企業には、多くのエントリーが集まります。
すべてのESを人が一つずつ丁寧に読むのは、現実的にかなり難しくなります。
そのため、初期選考の段階で、大学名や一定の基準を使って応募者を絞ることがあります。
ここで押さえておきたいのは、学歴フィルターは必ずしも個人の能力を細かく見ているものではないということです。
もちろん、納得しにくい部分はあります。
ただ、企業側から見ると、大量の応募を処理するための仕組みとして使われている面があります。
だから、学歴フィルターの話を見て、
「自分には能力がない」
と見られていると考えすぎる必要はありません。
見られる前に絞り込まれているのであって、能力そのものの評価とは別問題だからです。
学歴フィルターの影響が小さい企業もある
一方で、学歴だけで判断されにくい企業もあります。
特に理系就活では、次のような企業では学歴以外の要素も見られやすくなります。
- 専攻との相性を重視する企業
- 研究内容や技術理解を見たい企業
- 地方国公立・中堅理系大学からの採用実績があるメーカー
- BtoB企業
- 隠れ優良企業
- 技術職・研究開発職・生産技術職など専門性を見る職種
理系の場合、企業が見ているのは大学名だけではありません。
専攻、研究テーマ、実験や解析の経験、技術への興味、職種理解なども見られます。
そのため、学歴だけを見て「無理」と決めるのは少し早いです。
学歴フィルターがありそうな企業だけを見て落ち込むより、自分の大学や近い大学から採用されている企業を見つける方が、次の行動につながります。
採用実績校は、狙える企業を見つけるための材料になる
学歴フィルターに不安があるとき、まず確認したいのが採用実績校です。
採用実績校とは、その企業が過去に採用した学生の出身大学のことです。
企業の採用ページ、就職四季報、大学のキャリアセンター資料、学科や研究室の就職実績などで確認できる場合があります。
採用実績校を見る目的は、企業のランクを決めることではありません。
見たいのは、
自分の大学や近い大学から、その企業に入った人がいるか
です。
たとえば、自分の大学名が採用実績校に載っていれば、少なくとも過去に同じ大学から採用された人がいるということです。
自分の大学名が載っていなくても、近いレベルの大学、同じ地域の国公立大学、同じ系統の理工系大学が載っていれば、可能性はあります。
ここで判断したいのは、
「絶対に受かるかどうか」
ではありません。
「最初からかなり厳しい企業なのか」
「それとも、十分に狙える企業なのか」
という感覚です。
この判断ができるだけでも、企業選びの精度はかなり変わります。
企業情報を見るときにどこを確認すればよいか迷う人は、 就職四季報の見方|まずはどこを見ればいい? も合わせて読んでおくと整理しやすいです。
採用実績校を見るときは、採用職種も見ておく
採用実績校を見るときに気をつけたいのは、企業全体の実績だけで判断しすぎないことです。
同じ企業でも、職種によって採用されやすい大学層が変わることがあります。
たとえば、同じ企業でも、
- 研究開発職
- 設計開発職
- 生産技術職
- 品質保証職
- 技術営業職
- 事務系総合職
では、求められる経験や見られるポイントが違います。
特に理系学生の場合、大学名だけでなく、専攻や研究内容とのつながりが評価されることがあります。
そのため、採用実績校を見るときは、できれば職種別に確認したいところです。
企業の採用ページに職種別の実績が出ていない場合は、大学のキャリアセンターや学科の就職先一覧も参考になります。
研究室の先輩がどの企業に行っているかも、かなり使える情報です。
同じ大学でも、学部全体の実績と、自分の学科・専攻の実績では意味が変わります。
企業名だけを見るのではなく、
「自分の専攻から、その職種に行ける可能性があるか」
まで見ていくと、判断しやすくなります。
採用実績校を使って、企業を3つに分けてみる
学歴フィルターが気になると、企業を大きく分けて考えてしまうことがあります。
「大手は無理」
「中小ならいける」
「有名企業は厳しい」
このように考えると、選択肢がかなり極端になります。
そこで使いやすいのが、採用実績校を見ながら企業を3つに分ける考え方です。
挑戦枠
挑戦枠は、人気が高く、学歴フィルターの影響も受けやすい企業です。
たとえば、知名度の高い大手メーカー、学生人気の高い企業、応募が集中する企業などです。
ここは、受けてはいけない企業ではありません。
むしろ、行きたい気持ちがあるなら挑戦してよい枠です。
ただし、挑戦枠だけで就活を組むと、かなり不安定になります。
採用実績校に自分の大学や近い大学が少ない場合、通過できる可能性はゼロではなくても、難易度は高いと見ておいた方が現実的です。
挑戦枠は、あくまで「受けたい企業」として残しておく枠です。
就活全体をこの枠だけに寄せないことが重要です。
現実枠
現実枠は、自分の大学や近い大学から採用実績があり、専攻や職種との相性も良い企業です。
ここが、企業選びの中心になります。
たとえば、次のような企業です。
- 自分の大学から採用実績があるメーカー
- 同じ学科や専攻の先輩が入社している企業
- 地方国公立・中堅理系大学から継続的に採用している企業
- 研究内容や職種との接点を作りやすい企業
こうした企業は、学歴だけで大きく不利になる可能性が比較的小さくなります。
さらに、企業研究や職種理解を準備できれば、選考でも話を作りやすくなります。
就活では、この現実枠をどれだけ厚くできるかで、安定感が変わってきます。
安定枠
安定枠は、通過可能性を確保するための企業です。
ただし、安定枠は「妥協する企業」という意味ではありません。
自分の専攻や志向に合っていて、採用難易度が極端に高すぎない企業のことです。
たとえば、次のような企業です。
- BtoBメーカー
- 地方優良企業
- ニッチトップ企業
- 技術職採用を積極的に行う企業
- 大学や研究室とのつながりがある企業
こうした企業は、知名度は高くなくても、事業内容や働き方が良い場合があります。
むしろ理系就活では、知名度だけでは見つけにくい優良企業がかなりあります。
学歴フィルターを気にして動けなくなるより、こうした企業まで視野を広げた方が、就活全体は進めやすくなります。
知名度に頼らず企業を広げたい人は、 隠れ優良メーカーランキング も合わせて読んでおくと、候補を増やしやすくなります。
学歴フィルター対策は、気にすることではなく戦う場所を考えること
学歴フィルターの話になると、多くの人が「自分の大学では不利かどうか」に意識を向けます。
もちろん、大学名が影響する場面はあります。
ただ、今から大学名を変えることはできません。
だからこそ、変えられないものを気にし続けるより、変えられるものに目を向けた方が前に進みやすくなります。
変えられるのは、主に次の3つです。
- どの企業を受けるか
- どの職種で応募するか
- どう志望理由を作るか
同じ大学でも、人気企業だけを受ける人と、採用実績校を見ながら企業を広げる人では、結果が変わります。
同じ企業でも、技術系職種で受けるのか、事務系総合職も含めて受けるのかで見られ方が変わることもあります。
同じ専攻でも、企業研究が浅い人と、研究内容や職種との接点を説明できる人では、面接での印象が変わります。
つまり、学歴フィルター対策とは、学歴を気にし続けることではありません。
自分が戦いやすい場所を見つけることです。
企業選び全体の考え方を整理したい人は、 理系の企業選び完全ガイド を読んでおくと、応募先の広げ方が見えやすくなります。
採用実績校を見ても迷うときは、AIで整理してみる
採用実績校を見始めると、情報が多くて整理しきれないことがあります。
「この企業は挑戦枠なのか、現実枠なのか」
「自分の大学名はないけれど、近い大学はある」
「研究内容と企業の事業がどうつながるのか分からない」
このあたりで迷う人も多いと思います。
その場合は、AIを使って整理するのも一つの方法です。
AIに向いているのは、情報の整理や比較です。
たとえば、次のような使い方ができます。
- 採用実績校に自分の大学や近い大学があるか整理する
- 企業を挑戦枠・現実枠・安定枠に分ける
- 研究内容と企業の事業内容の接点を整理する
- BtoBメーカーや隠れ優良企業の候補を広げる
- 志望動機のたたき台を作る
AIは、候補を広げたり、情報を並べたりする作業には向いています。
一人で考えていると視野が狭くなることもあるので、最初の整理にはかなり使いやすいです。
ただし、AIに任せきりにすると危うい部分もあります。
AIは、企業の最新の採用温度感や、自分の大学から本当に通りやすいかどうかまでは判断しきれません。
AIはあくまで整理の道具として使い、最後の判断は自分で行う。
この線引きを持っておくと、使いやすくなります。
AIを就活でどう使えばよいか整理したい人は、 AIツール活用ガイド を読んでおくと、使ってよい場面と任せすぎない場面の区別がしやすくなります。
AIだけで分からない部分は、人から情報を補う
採用実績校やAIで整理しても、判断に迷う企業は残ります。
たとえば、
「自分の大学名はないけれど、近い大学はある」
「技術職なら可能性がありそうだけれど、実際は分からない」
「挑戦枠として受けるべきか、現実枠として考えてよいのか迷う」
このようなケースです。
ここで無理にAIだけで結論を出そうとすると、判断がずれやすくなります。
AIは情報整理には便利ですが、次のようなことは苦手です。
- その企業が今どれくらい採用に積極的か
- 自分の大学から実際に通りやすいのか
- 面接でどこを見られやすいのか
- 推薦や研究室経由の可能性があるのか
- 企業ごとのリアルな採用温度感
こうした情報は、大学のキャリアセンター、研究室の先輩、OB・OG、就活エージェントなどから補った方が判断しやすくなります。
特に、応募先の広げ方や企業ごとの採用温度感が分からない場合は、就活エージェントを情報源として使う方法もあります。
もちろん、エージェントに就活を丸投げする必要はありません。
あくまで、自分が主導権を持ったまま、足りない情報を補うイメージです。
エージェントを使うべきか迷う人は、 就活エージェントを使うべき人・使わない人 を読んでおくと、今の自分に必要かどうかを整理しやすくなります。
学歴フィルターで一番避けたいのは、動く前に諦めること
学歴フィルターの話で一番もったいないのは、実際に調べる前から諦めてしまうことです。
「どうせ無理」と考えると、企業研究をしなくなります。
企業研究をしないと、採用実績校も見ません。
採用実績校を見ないと、自分の大学から入れる企業も見つかりません。
その結果、本来なら狙えた企業まで見逃してしまいます。
学歴フィルターの影響は、たしかに一部ではあります。
ただ、それ以上に影響が大きいのは、行動が止まることです。
不安を完全になくしてから動く必要はありません。
不安があるなら、まずは調べながら対策していく形で十分です。
最初に見るのは、次の5つです。
- 自分の大学や学科の就職実績を見る
- 志望業界の企業の採用実績校を見る
- 研究室や先輩の就職先を確認する
- 企業を挑戦枠・現実枠・安定枠に分ける
- 現実枠を中心に応募候補を増やす
この順番で進めるだけでも、学歴フィルターへの不安はかなり減り、対策しやすくなります。
まとめ|採用実績校を見ながら戦う場所を決める
学歴フィルターは、一部では存在します。
特に応募が集中する人気企業では、初期選考で大学名が影響する可能性があります。
ただ、すべての企業で同じように起きるわけではありません。
理系就活では、専攻、研究内容、職種理解、企業との相性も見られます。
だからこそ、学歴だけで判断するのではなく、採用実績校を見ながら、勝てる場所を探していく方が現実的です。
学歴は変えられません。
でも、応募先の選び方は変えられます。
まずは、自分の大学や近い大学から採用実績がある企業を確認してみてください。
そのうえで、企業を挑戦枠・現実枠・安定枠に分けて整理していきます。
現実枠を厚くしながら、挑戦枠にも挑む。
安定枠で選択肢を確保する。
この形を作れると、学歴フィルターへの不安に振り回されにくくなります。
次に企業選び全体を整理したい人は、 理系の企業選び完全ガイド を読んでみてください。
知名度だけでは見つからない企業まで広げたい人は、 隠れ優良メーカーランキング も合わせて読むと、応募先の幅を作りやすくなります。

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