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メーカーとITのどちらを軸に見ればいいのか、迷うことがあります。
最初は専攻を活かせそうなメーカーを中心に見ていたものの、周りがIT企業を受け始めて気になってきた、という人もいるはずです。
メーカーには、製品や技術に直接関われる面白さがあります。ITには、技術を使って仕組みを作る面白さがあります。
どちらを選ぶか迷ったときは、「メーカーは安定していそう」「ITは成長していそう」といった業界のイメージよりも、実際にどんな仕事をし、どう進め、どんな経験が積み上がるのかを比べることが判断材料になります。
この記事でわかること
- メーカーとITを同じ基準で比べる方法
- 仕事内容や仕事の進め方、キャリアの違い
- 日々の作業から仕事との相性を考える視点
- 実際の企業を見比べる進め方
メーカーとITで迷いやすいのは、比べる基準が違うから
メーカーとITのどちらを選ぶか決めにくい理由の一つは、それぞれを見るときに違う基準を使いやすいことです。
メーカーでは、専攻や研究とのつながり、製品への興味、技術力などに目が向きやすくなります。
ITでは、業界の成長性、年収、身につくスキル、働き方の柔軟さなどが気になることがあります。
この状態では、メーカーは専攻や製品との関係から見ているのに、ITは将来性や待遇から見ていることになり、単純には比べられません。
まずは仕事内容、仕事の進め方、キャリアという同じ基準で両方を見てみます。
年収や勤務地、転勤、働き方などの条件は、企業を具体的に比べる段階で確認します。
条件を含めた企業選びの考え方は、理系の企業選びの基準でも詳しく紹介しています。
メーカーとITを比べる3つの違い
最初に、大まかな違いを確認します。
| 比べるポイント | メーカーに見られやすい傾向 | ITに見られやすい傾向 |
|---|---|---|
| 仕事内容 | 製品、部品、材料、生産工程などに関わる | システム、ソフトウェア、情報、データなどに関わる |
| 仕事の進め方 | 条件を確認しながら精度や品質を高める | 作って試し、改善を重ねる |
| キャリア | 特定の製品・技術・工程への理解を深める | 技術や担当領域、役割を広げる |
ここで示すのは大まかな傾向です。
メーカーにもソフトウェア開発やデータ活用の仕事があり、ITにも長期間かけて慎重に進める仕事があります。
そのため、この表で方向をつかんだ後は、実際の企業や職種まで見て判断します。
仕事内容|製品や工程に関わるか、仕組みや情報に関わるか
メーカーでは、製品、部品、材料、生産工程、品質、安全性など、現実に存在するモノや工程に関わる仕事が多くあります。
研究開発、設計、生産技術、品質保証など職種によって担当は異なりますが、「製品の性能をどう高めるか」「安定して生産するには何が必要か」「品質をどう守るか」といった課題に向き合います。
自分が関わった設計や改善が、製品や設備の変化として見える仕事もあります。
ITでは、システム、ソフトウェア、データ、アプリケーション、業務の流れなどを扱います。
「必要な機能をどう実現するか」「情報をどう扱えば使いやすくなるか」「利用者の不便を仕組みでどう解決するか」といった課題を考えます。
ITと一口にいっても、自社開発、SIer、ITインフラ、データ分析、ITコンサルなどで仕事内容はかなり違います。メーカーでも、研究開発と設計、生産技術では日々の仕事が異なります。
業界より先に職種の違いを詳しく見たい人は、理系職種の違いも参考になります。
仕事の進め方|条件を詰めるか、試しながら改善するか
メーカーでは、品質、安全性、コスト、生産性など複数の条件を確認しながら仕事を進めます。
設計を少し変更しただけでも、製造工程やコスト、耐久性、安全性に影響します。そのため、実験結果を積み重ねたり、原因を一つずつ切り分けたり、他部署と調整しながら条件を詰めたりする作業が必要になります。
一つの製品について、設計、試作、評価、量産準備と段階を進みながら、時間をかけて完成度を高める仕事もあります。
ITでは、必要な機能を作り、実際に動かしながら問題を見つけ、改善していく仕事があります。
新しい技術や利用者のニーズが変化する中では、わからないことを調べ、仮説を立て、実際に作って結果を確認するという流れを繰り返します。
キャリア|特定分野を深めるか、技術や役割を広げるか
メーカーでは、特定の製品、材料、工程、技術分野への理解が深まっていきます。
経験を重ねるほど、「この材料ではどのような問題が起こりやすいか」「この製品では何を優先すべきか」といった判断ができるようになり、その分野での専門性が身につきます。
一つの製品や技術分野を長く追いかけたい人にとっては、経験を深めやすいキャリアです。担当する製品や分野が大きく変われば、新しい知識を学び直す必要も出てきます。
ITでは、プログラミング、システム設計、データ活用、クラウド、プロジェクト管理など、別の仕事でも活かせる技術や経験が身につく場合があります。
技術を深めて専門職として進む道もあれば、プロジェクト管理やマネジメントへ役割を広げる道もあります。技術の変化が速い分、新しい知識を継続して学ぶ場面も増えます。
就職先を考えるときには、5年後や10年後にどのような強みを持っていたいかも一つの判断材料になります。
一つの技術や製品への理解を深めたいのか、技術や役割を変えながらできることを増やしたいのかによって、興味を持つ企業も変わります。
自分との相性は、続けやすい作業から考える
専攻は企業を探すヒントになりますが、実際の仕事との相性は、日々どのような作業をするかによっても変わります。
実験や検証を重ねること、現実の制約の中で条件を詰めること、一つの対象を深く理解することを苦に感じにくい人は、メーカーの技術職に興味を持ちやすいでしょう。
複数の情報をまとめること、仕組みを考えること、新しい知識を調べること、作って試しながら改善することが好きなら、ITの仕事にも面白さを感じやすいでしょう。
研究では丁寧な検証が好きでも、ソフトウェア開発に興味を持つ人はいます。情報系を専攻していても、目に見える製品に関わりたい人もいます。
「何を専攻しているか」と合わせて、どのような作業なら毎日続けられそうかを考えると、仕事選びの材料が増えます。
メーカーとITで迷ったときの進め方
大まかな違いがわかったら、実際の企業を見ながら方向を決めていきます。
1.3つの視点から、自分が気になることを書き出す
仕事内容、仕事の進め方、キャリアについて、自分が気になることを一つずつ書き出します。
例えば、
- 仕事内容:目に見える製品に関わりたい
- 仕事の進め方:試した結果が比較的早く返ってくる仕事がいい
- キャリア:一つの専門分野を深めたい
という形です。
やりたいことが浮かばない場合は、避けたい環境から考えても構いません。
仕事の内容や優先順位が頻繁に変わる環境を負担に感じるなら、ITの中でも変化の速い仕事は慎重に見たほうがよいでしょう。
確認や調整を重ね、成果が見えるまで長い時間がかかる仕事を負担に感じるなら、メーカーの中でも開発期間が長い仕事は候補から外れることがあります。
やりたい仕事と避けたい環境の両方を見ることで、自分が続けられそうな仕事に近い方向を考えられます。
2.メーカーとITから気になる企業を2〜3社ずつ選ぶ
次に、メーカーとITの両方から、実際に応募を考えられそうな企業を少数ずつ選びます。
企業の採用ページや募集要項で、どのような仕事を担当するのか、配属先にはどんな部署があるのか、入社後にどんな経験を得られるのかを確認します。
同じメーカーでも、完成品、部品、素材では仕事内容が異なります。
ITでも、自社開発、SIer、ITインフラ、ITコンサルなどによって仕事の進め方は変わります。
3.企業単位で比べ、まず優先する方向を決める
候補が見つかったら、自分が書き出した基準を使って企業を比べます。
企業ごとの違いを同じ項目で比較する方法は、理系の企業比較で詳しく説明しています。
この段階では、仕事内容や仕事の進め方と合わせて、年収、勤務地、転勤、配属、働き方などの条件も確認します。
比較した結果、
「メーカーを中心に見る」
「ITを中心にしつつ、興味のあるメーカーも残す」
という程度まで方向が決まれば、次の企業研究や応募準備へ進めます。
すべての企業を同じ優先度で受け続けると、企業研究や志望動機の準備が広がりすぎます。まず中心に見る方向を決め、企業を調べる中で必要に応じて見直していけば十分です。
まとめ|メーカーとITは仕事との相性で選ぶ
メーカーとITで迷ったら、業界のイメージよりも、仕事内容・仕事の進め方・キャリアを同じ基準で比べてみます。
気になる企業を2〜3社ずつ選び、実際の職種や条件まで確認すれば、自分が優先したい方向を考えられます。
まずは応募を考えられる企業を実際に並べて比べるところから始めてみてください。
メーカーとITの両方を調べても、自分が何を優先したいのか決めきれない場合は、大学のキャリアセンターなどで相談する方法もあります。
さらに、相談しながら自分に合いそうな企業の候補も増やしたい場合は、就活エージェントから企業を提案してもらうこともできます。
相談先の使い分けや、エージェントを利用する目安は、【就活を一人で決めきれない理系学生へ】で紹介しています。
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