標準スタート完全ガイド

大学3年・修士1年の夏〜秋ごろになって、「そろそろ本格的に就活を始めないと」と考え始める人は多いはずです。

春から夏インターンに向けて動いていた学生を見ると、少し出遅れたように感じるかもしれません。ただ、この時期からでも本選考に向けて準備する時間はまだ十分に残っています。就活全体で見れば、大きく遅れている時期ではありません。

一方で、春から動いていた学生と同じように、一つ一つの準備にじっくり時間をかけて試行錯誤できる時期でもなくなってきています。

だからこそ、3年夏〜秋から就活を始めるなら、思いついたことから順番に手をつけるのではなく、今の自分に何が必要かを見極め、優先順位をつけて効率よく進めることが大切になります。

この記事では、自己分析や企業研究、ES、面接のやり方を一つずつ詳しく説明するのではなく、今の自分がどの位置にいて、次に何をすればよいかを判断できるようになることを目指しています。

なお、春から就活を始めていて、夏インターンに向けた準備を進めている場合は早期スタート完全ガイドの方が今の状況に合っています。

反対に、冬以降になって準備不足を感じている場合は出遅れ・逆転ガイドから確認した方が整理しやすくなります。

また、就活全体ではなく「夏インターンにほとんど参加できなかったこと」が一番気になっている場合は、冬インターンまでの巻き返し方へ進んでください。

この記事でわかること

  • 3年夏〜秋から就活を始めた場合、今どのくらいの位置にいるのか
  • 本選考に向けて、今から何を優先して進めればよいか
  • 自己分析・企業選び・選考準備を効率よく進める考え方
  • 今の状況に合わせて、次にどの記事へ進めばよいか

まずは「もう遅い」と思い込まなくていい

3年夏〜秋から本格的に就活を始める場合、まず知っておきたいのは、「もう遅い」と考える必要はない一方で、時間にかなり余裕があるわけでもないということです。

このサイトでは、3年春ごろから夏インターンに向けて動き始める時期を早期スタート、夏〜秋ごろから本格的に始める時期を標準スタートとして考えています。

夏〜秋であれば、これから企業や職種を調べ、応募先を考え、ESや面接の準備を進める時間は残っています。

ただ、春から動いている学生は、すでにいくつかの企業を見たり、インターンに応募したりする中で、自分の希望や選考で伝える内容を少しずつ形にしてきています。

ここから始める場合、その差をすべて埋めようとする必要はありません。大切なのは、春から始めた人がやってきたことを最初から全部追いかけることではなく、本選考に向けてこれから必要になる準備を見極め、優先順位をつけることです。

まだ方向転換できる時間はあります。ただ、何となく企業説明会を見続けたり、自己分析だけを長く続けたりしていると、秋から冬にかけて必要な準備が一気に重なってきます。

この時期は「急いで何でもやる」のではなく、「必要なことから効率よく進める」時期だと考えると分かりやすいはずです。

今どこまで準備できているか、まず確認してみる

就活を始めると、自己分析、業界研究、企業研究、インターン、ES、面接など、やるべきことが一気に見えてきます。

すべてを同時に始める前に、まず今の状態を確認してみてください。

就活の時期や今後の流れは把握できているか

「いつごろから応募が増えるのか」「インターンと本選考をどうつなげればよいのか」がまだ分からない場合は、まず全体の流れをつかむところから始めます。

時期が分からないまま準備を進めると、まだ急がなくてよいことに時間を使ってしまったり、反対に先に準備しておくべきことを後回しにしてしまったりしがちです。

この場合は13 理系就活のスケジュールで、これからの流れを先に確認しておくとスムーズです。

企業や職種の大まかな方向性はあるか

メーカーを見るのか、ITも視野に入れるのか。研究内容との近さを重視するのか、勤務地や仕事内容を優先するのか。

最初から答えを決める必要はありません。ただ、何も基準がない状態で企業を見始めると、どうしても知っている企業ばかりに目が向いてしまいます。

「良さそうな会社を探す」だけでなく、自分は何を基準に企業や職種を見るのかを仮に決めておくと、企業探しの効率がぐっと上がります。

応募したい企業の候補は少しでもあるか

業界や職種の方向性は考えていても、実際に応募候補となる企業がほとんど見つかっていない場合は、企業探しをここから始める必要があります。

この段階で第一志望まで決めきる必要はありません。まずは複数の企業を見て、「こちらの会社の方が仕事内容に興味がある」「勤務地を考えるとこちらの方が合いそうだ」と比較できる状態を作ることが先です。

ESや面接で使えそうな経験は思い浮かぶか

研究、授業、アルバイト、サークル、部活動などの中から、自己PRやガクチカで話せそうな経験があるかも確認しておきましょう。

まだ文章にまとめる必要はありません。「この経験なら話せそう」という材料がいくつか見えていれば、ESや面接の準備にスムーズに入れます。

反対に何も思い浮かばない場合は、企業選びと並行して経験の整理も始めた方がよい状態です。

夏〜秋から始めるなら、順番より優先順位で進める

ここから就活を始める場合、「まず自己分析を完全に終わらせて、その後に企業研究をして、それからESを作る」というように、一つずつ順番に仕上げていく進め方にこだわらなくても大丈夫です。

実際には、それぞれがつながっています。

企業を見ることで、自分が仕事内容や勤務地の何を重視しているのかが分かることがあります。ESを書いてみることで、自分の経験のどこが説明しにくいのかに気づくこともあります。

そのため、3年夏〜秋からは次のような順番を意識しながら、必要な部分を並行して進めていく方が効率的です。

1. 本選考までの流れをつかむ

最初に、これからいつ頃どのような準備が必要になるのかを確認します。

細かいスケジュールまできっちり決める必要はありません。「秋は企業を見る時期」「冬に向けて選考準備も増えてくる」といった大きな流れが分かれば、目の前の作業に優先順位をつけやすくなります。

2. 企業や職種を選ぶ基準を仮に作る

次に、自分が企業や職種を選ぶときに何を重視したいのかを考えます。

仕事内容、技術分野、勤務地、配属、企業規模、研究内容とのつながりなど、最初は候補がいくつかあれば十分です。

ここで作った基準は、後から変わって構いません。企業を見ながら、「思っていたより勤務地を重視したい」「研究テーマそのものより仕事内容の幅を見たい」と気づくこともあります。

企業選びをどこから考えればよいか分からない場合は、理系の企業選びで判断軸から整理できます。

3. 候補企業を探しながら比較する

方向性が少し見えてきたら、実際に企業を探していきます。

この段階で大切なのは、企業名を集めることではなく、いくつかの会社を比べることです。仕事内容、職種、勤務地、配属、事業の特徴などを比べていくと、自分が何を重視しているのかも自然と見えてきます。

応募企業を最初から絞り込みきる必要はありません。候補を作り、調べながら入れ替えていけば十分です。

4. 選考で使う経験を整理する

企業探しと並行して、ESや面接で使いそうな経験も整理していきます。

研究、授業、アルバイト、サークルなどの中から、何をしたのか、そのとき何を考えたのか、どんな工夫をしたのかを思い出しておきます。

この段階では文章を完成させることより、選考で使える材料をそろえることが目的です。

5. 応募が近づいたらES・面接の準備へ進む

応募する企業が見えてきたら、ESや面接の準備を本格化させます。

ここまでに企業選びと経験整理を進めておけば、自己PRや志望動機を一から考えるよりも、ぐっと書きやすくなります。

選考対策も、完璧に仕上げてから応募する必要はありません。実際にESを書いたり面接を受けたりすると、伝わりにくい部分が見えてきます。その都度直していく方が、準備だけを続けるよりも精度を上げやすくなります。

ここまでの5つのステップも、順番通りに一つずつ完璧にこなしていく必要はありません。企業を見ることで自分の希望が具体的になったり、ESを書いて初めて経験の説明しにくい部分に気づいたりすることもあります。

標準スタートで効率を上げるというのは、準備の質を落として急ぐことではありません。企業選び・自己分析・選考準備をつなげて進め、同じことを何度もやり直さないことが、結果的に時間を有効に使うことにつながります。

AIや周りの人をうまく頼ると、整理の時間は減らせる

すべてを一人で抱え込んで整理する必要はありません。

たとえばAIは、企業情報を同じ項目で比較する、自己分析のメモを整理する、ESの構成を確認する、面接で聞かれそうな質問を洗い出すといった作業に活用できます。

自分の代わりに企業や志望理由を決めてもらうのではなく、情報や考えを整理する補助役として使うのが基本です。AIを就活のどこで使えるのか詳しく知りたい場合は、理系就活のAI活用ガイドで確認できます。

また、企業選びやES・面接の改善点を自分だけでは判断しにくい場合は、大学のキャリアセンターや先輩に相談する方法もあります。必要に応じて就活エージェントを使う選択肢もありますが、標準時期から始めたからといって必ず使わなければいけないわけではありません。

自分で進められる部分は自分で進め、時間がかかっているところや客観的な意見が欲しいところだけ人やAIに補ってもらう、と考えると使いやすくなります。

夏インターンに参加できなかったことが気になる場合

3年夏〜秋から就活を始める人の中には、夏インターンにほとんど参加できなかった人もいると思います。

ただ、「就活全体をこれからどう進めるか」と「夏インターンに参加できなかった後、冬までにどう立て直すか」は少し違う悩みです。

この記事では、就活全体の優先順位を整理しています。

夏インターンへ応募できなかった、選考で落ちてしまった、参加できた企業がほとんどなかったなど、夏インターンに出遅れたこと自体が一番の悩みであれば、冬インターンまでの巻き返し方へ進んだ方が、今後の動きを整理しやすくなります。

冬インターンまでに企業探しや選考準備をどう進めるかは、そちらで確認してください。

この先の流れ:夏〜秋・秋〜冬・冬以降で考える

3年夏〜秋から始めた場合、この先は大きく3つの段階で考えると整理しやすくなります。

夏〜秋は、方向性を整理して候補企業を見つける時期

まずは就活全体の時期を確認し、企業・職種を選ぶ基準を仮に作ります。

そのうえで、実際に企業を見ながら応募候補を探していきます。

この時点では第一志望を絞り込む必要はまだありません。「どのような企業なら受けてみたいか」が少しずつ見えてくれば十分です。

秋〜冬は、企業選びと選考準備を並行させる時期

企業を見るだけでなく、ESや面接で使う経験を整理し、応募できる状態へ近づけていきます。

インターンや早期選考へ参加する機会があれば、そこで得た情報も企業選びに活かしていきます。

この時期からは、「企業を選ぶこと」と「選考に備えること」を別々に考えすぎない方が進めやすくなります。

冬以降は、実際の選考を通じて修正していく時期

応募が始まれば、準備だけでなく実践の比重が上がってきます。

ESを書いてみる。面接を受ける。結果を見て改善する。必要なら応募企業も見直す。

こうして実際の選考と準備を行き来しながら進めていきます。

もし冬になっても応募候補がほとんどない、自己分析や選考準備もほとんど進んでいないという状態であれば、標準スタートの進め方をそのまま続けるよりも、57 出遅れ・逆転ガイドで現在地から優先順位を組み直した方がよい場合があります。

ここまで読んだら、この先すべての記事を順番に読み進める必要はありません。今の自分がどこで止まっているかに合わせて、次の記事へ進んでください。

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