理系の選考対策完全ガイド|自己分析からES・Webテスト・面接まで

選考には、書類選考、能力検査、性格検査、面接などがあり、それぞれに対策や目的があり進め方が異なります。

どの選考にも丁寧に取り組むことは大切なのですが、時間をかければ上手く進むというわけではありません。
書類選考では何を文章で伝えるのか、能力検査ではどの形式を練習するのか、性格検査では何に注意して答えるのか、面接では何を自分の言葉で説明できるようにするのか。
それぞれの対策で押さえておくべきポイントを理解しておかないと、時間をかけても必要な対策が進まないということになってしまいます。
この記事では、書類選考、能力検査、性格検査、面接について、それぞれ押さえておくべきポイントと、どのような順番で進めればよいかを解説していきます。

この記事でわかること

  • 自己分析がES・面接・企業選びの土台になる理由
  • 書類選考の対策では、ESの内容と応募先の見極め方が大切になる理由
  • Webテストを受検形式に合わせて対策する方法
  • 性格検査と面接で押さえておきたい対策のポイント

選考ごとに、押さえるポイントは異なります

選考対策を始める前に、それぞれの選考が何を確認するものなのかを整理しておきましょう。

選考・準備主な目的対策のポイント
書類選考経験や志望理由を文章で伝える何を伝えるかを決め、応募先の組み合わせも考える
能力検査言語・非言語などの問題へ対応する受検形式を確認し、必要な範囲を練習する
性格検査考え方や行動の傾向を確認する良く見せる回答を作り込まず、普段の自分に沿って答える
面接ESや自己分析の内容を口頭で説明する深掘りへの準備と発話練習を行う

企業によっては、能力検査と性格検査をまとめて「適性検査」と呼ぶことも多いです。この記事では、問題を解く検査を能力検査、性格や行動傾向について答える検査を性格検査として分けて解説していきます。

すべてを同じように準備するのではなく、それぞれ何を目的とした選考なのかを理解したうえで、必要な対策をすることが大切です。

自己分析は、ESと面接の土台になります

自己分析というと、長所や短所を考える作業をイメージする人が多いかもしれません。
それは、自分の経験や強みを企業へ伝えるための自己分析です。
ただ、就活で必要な自己分析にはもう一つ、自分に合う企業や職種を選び、志望理由を考えるための自己分析があります。
この二つを分けて考えると、何のために自分を振り返って自己分析をするのかが分かりやすくなります。

自分の経験や強みを企業へ伝えるための自己分析

一つ目は、「自己PR」や「ガクチカ」、「面接回答」につながる自己分析です。
これまでの経験を振り返り、仕事でも生かせそうな長所や、自分で認識して改善を続けている短所を見つけます。

長所を考えるときは、

  • 実際の経験から説明できる
  • 仕事でも生かせそうか
  • 別の経験でも同じ特徴が表れているか
  • 深掘りされても自分の言葉で話せるか

を確認します。

たとえば「粘り強さ」を長所にするなら、単に諦めなかったという話だけではなく、うまくいかない原因を考え、方法を変えながら続けた経験があると説明しやすくなります。

短所は、自分の弱い部分を理解し、仕事や周囲に悪い影響が出ないように工夫しているものを選ぶのがポイントです。克服している必要はありません。

たとえば「慎重になりすぎて判断が遅くなる」という短所なら、「締め切りを前倒しで設定するようにしている」とか、「確認する項目を先に決めるようにしている」など、普段どのように対応しているかまで説明できることが大切です。自分で改善する方法が見えていない短所を選ぶ必要はありません。

ガクチカと自己PRは、同じ経験を使っても目的が違います

ガクチカと自己PRは、同じ経験を使って作ることもできます。ただし、質問の目的は少し異なります。

ガクチカでは、ある経験の中で何を考え、どのように行動したのかを伝えます。自己PRでは、その経験から分かる自分の強みを伝えます。

たとえば研究で測定方法を改善した経験を使う場合、ガクチカでは、どのような課題があり、なぜ改善が必要だと考え、どのような方法を試し、結果として何が変わったのかを説明します。自己PRでは、同じ経験を使いながら、課題を整理して改善を続けられることや、根拠を持って方法を見直せることを強みとして伝えます。

自己分析で経験と強みの関係を整理しておけば、ガクチカと自己PRを一から別々に考える必要はありません。

企業や職種を選ぶための自己分析

二つ目は、企業選び、職種選び、志望動機へつなげる自己分析です。

ここでは、どのような仕事に興味があるか、どのような働き方をしたいか、仕事を通じて何を実現したいか、企業選びで何を重視するか、どのような環境では力を発揮しやすいかなどを考えます。

自分の価値観が整理できていないと、企業を比較するときに、知名度、年収、勤務地などの目につきやすい条件だけで判断しやすくなります。また、企業研究をしても、自分が何を重視しているのか分からなければ、「良い会社だとは思うけれど、なぜ志望するのか説明できない」という状態になります。

就活の軸は、企業に良く見られる言葉を選ぶためのものではありません。自分が企業を比較し、納得して応募するための基準です。そのうえで、面接でも説明できる言葉へ整えていきます。

将来像は、見つけるだけでなく組み立ててもよい

「将来の夢を考えましょう」と言われても、すぐに答えが浮かばない人は少なくありません。

その場合は、はっきりした夢が見つかるまで考え続けるのではなく、これまでの経験や興味から、現時点の将来像を組み立ててもよいと思います。

学んでいて面白いと感じた分野、研究や授業で続けても苦にならなかったこと、得意だった作業や役割、関心のある製品や技術、避けたい仕事や働き方などを書き出してみましょう。

これらを整理すると、「技術を深く追究できる仕事がしたい」「製品に近い立場で設計に関わりたい」「幅広い分野の人と協力しながら開発を進めたい」といった方向が見えてくることがあります。

将来像は、一度決めたら変えてはいけない答えではありません。今の時点で納得できる方向性をいったん決め、企業研究や選考を進めながら見直していけば問題ありません。

自己分析が止まったときは、AIを整理役にしましょう

自分の経験を振り返っても、長所や短所、将来像、就活の軸がうまく言葉にならないことがあります。そのようなときは、AIに答えを決めてもらうのではなく、自分の経験や考えを整理する相手として使う方法があります。

まず、研究、授業、アルバイト、サークル、趣味、資格勉強などから、これまでに頑張ったことを書き出します。それぞれについて、どのような状況だったか、何を考えたか、どう行動したか、結果はどうなったかをメモします。

その内容をAIへ詳しく伝えると、自分の行動に共通する特徴や、長所・短所の候補を出してもらえます。ただし、AIが示した候補が、そのまま自分に当てはまるとは限りません。実際の経験と合っているか、自分が納得できるか、面接で説明できるかを確認し、使う内容は自分で決めます。

AIを使った整理方法は、65 AIツール活用ガイドで詳しく確認できます。

書類選考では、ESの内容と応募先の両方を考えましょう

書類選考の対策というと、ESの文章を添削することだけを思い浮かべやすいものです。

もちろん、読みやすい文章に整えることは必要です。ただし、その前に、どの経験や強みを伝えるのか、なぜその企業へ応募するのかを決めなければなりません。

また、書類の内容だけでなく、どの企業へ応募するかも考える必要があります。

自己分析で整理した内容をESで伝える

ESでは、自己分析で整理した内容を、企業が読んで理解できる文章にします。

自己分析で整理した強みは自己PRに、経験の中で考え行動した過程はガクチカに、価値観や将来像は志望動機に活用します。

研究内容を書く場合は、専門的な内容だけでなく、何を研究しているのか、なぜその研究が必要なのか、どのような課題があり、自分は何を担当しているのかが伝わるようにします。

研究テーマの難しさよりも、その中で自分が何を考え、どのように行動したのかが伝わることが大切です。

文章を整える前に、何を伝えるESなのか決める

ESを書き始めると、言葉遣いや文字数が気になりやすくなります。ただ、文章をきれいにする前に、何を伝える回答なのかを確認しましょう。

ガクチカであれば、何に取り組み、どのような課題があり、何を考えて行動し、その結果何が変わり、何を学んだのかという流れを作ります。

自己PRでは、最初に強みを伝え、その強みが表れた具体的な経験を続けます。志望動機では、企業の特徴を並べるだけではなく、自分が関心を持った理由と、入社後に取り組みたいことをつなげます。

文章表現を整えるのは、何を伝えるかが決まった後です。

挑戦する企業だけに応募先を偏らせない

書類選考では、ESの内容だけでなく、応募先の選び方も重要です。

企業によって、採用人数、応募者数、求める専攻、採用実績校などは異なります。大学名や専攻によって、書類選考の進みやすさが変わる企業もあります。

難関企業へ挑戦すること自体は悪くありません。ただし、知名度の高い企業や難関企業だけに応募を集中させると、選考が進まないまま持ち時間が減る可能性があります。

応募先は、難易度が高くても挑戦したい企業、自分の専攻や経験との接点が強い企業、採用実績や募集職種から応募を検討しやすい企業、知名度は高くなくても仕事内容や技術に興味を持てる企業を組み合わせて考えます。

挑戦する企業と、自分の専攻や経験を生かしやすい企業の両方へ応募しておけば、一部の企業で選考が進まなくても、就活全体が止まりにくくなります。

学歴だけで応募を諦める必要はありませんが、採用実績や募集条件を確認せず、難関企業だけへ応募することも避けたいところです。

能力検査は、受検形式を調べてから対策しましょう

能力検査では、言語、非言語、英語などの問題が出題されます。

企業によって受検形式や出題内容が異なるため、やみくもに幅広い問題集へ手を出すより、まず受ける可能性のある形式を確認することが大切です。

まずはSPIの基本問題で苦手分野を確認する

志望企業がまだ決まっていない段階では、SPIの言語・非言語の基本問題に触れ、どの分野が苦手かを確認しておきましょう。

最初から高い得点を目指す必要はありません。割合、損益、速さ、確率、表の読み取りなど、久しぶりに解くと戸惑いやすい問題を一度確認します。

考え方を忘れている場合は、解説を読みながら基本を思い出します。この段階では、高得点を目指すよりも、基本問題を解きながら苦手分野を確認することを優先します。

志望企業が見えてきたら受検形式を確認する

応募する企業が決まってきたら、過去にどのような形式が使われていたかを確認します。

SPI、玉手箱、TG-WEBなど、使われた可能性がある形式、自宅受検かテストセンターか、出題分野、制限時間、英語問題の有無などを調べます。

大学のキャリアセンターや就職課、卒業生の選考報告、就活情報サイトなどを確認すると、過去の受検形式を把握できる場合があります。

ただし、選考方法は変更されることもあります。過去の情報だけを信じ切らず、企業から届く案内も必ず確認しましょう。

苦手分野と志望企業で使われる形式を優先する

受検形式を確認したら、その形式で出やすい問題と、自分が苦手な分野を優先して練習します。

非言語問題で時間がかかる場合は、解き方を覚えるだけでなく、制限時間を決めて問題を解きます。能力検査では、問題を理解していても、時間内に解けなければ回答数を増やせません。一度は本番に近い時間で練習しておきましょう。

受ける予定のない形式まで練習を広げると、ESや面接の準備時間を圧迫します。志望企業の形式が分かってきたら、必要な範囲へ絞って進めます。

性格検査は、回答を作り込みすぎない

性格検査では、普段の考え方や行動傾向に関する質問へ答えます。

能力検査のように、問題の解き方を覚えて得点を上げるものではありません。企業に好まれそうな回答ばかりを選ぼうとすると、似た内容の質問に対する答えがずれたり、面接で話す人物像と合わなくなったりすることがあります。

性格検査では、質問を急いで読み飛ばさず、普段の自分に近い回答を選びましょう。企業ごとに性格を作り変えようとしたり、極端に理想的な人物へ寄せたりする必要はありません。

たとえば、「一人で集中して取り組むのが好き」と「人と協力するのが得意」は、必ずしも矛盾する内容ではありません。仕事や状況によって、どちらも当てはまることがあります。

似た質問が出ても、企業受けを意識して答えを変えず、そのときの自分の考えや普段の行動に近い方を選びます。質問を深読みしすぎず、無理に整った人物像を作らないことが大切です。

性格検査は、何も考えずに受ければよいという意味ではありません。回答するときの注意点を理解し、必要以上に作り込まないことが対策になります。

面接では、自己分析とESの内容を自分の言葉で説明する

面接は、ESとは別の自分を見せる場ではありません。

自己分析で整理した経験、強み、価値観、志望理由を、質問に合わせて口頭で説明する選考です。

ESに書いた内容を暗記して読み上げるのではなく、背景や理由を深掘りされても答えられるように準備します。

ESに書いた内容を深掘りされても説明できるようにする

面接では、ESに書いた内容から質問が広がります。

ガクチカであれば、なぜその課題に取り組んだのか、なぜその方法を選んだのか、ほかの方法は考えなかったのか、周囲とどのように関わったのか、その経験を仕事でどう生かすのかなどを聞かれます。

ESでは文字数の都合で書けなかった考えや背景を、自分の言葉で補足できるようにしておきましょう。

回答文を丸暗記するよりも、結論、理由、具体例の要点を覚えておく方が、質問の言い方が変わっても対応しやすくなります。

志望動機は、自分と企業の接点を説明する

志望動機では、企業の技術力、製品、事業内容を説明するだけではなく、なぜ自分がそこに関心を持ったのかを伝えます。

自分が仕事で大切にしたいこと、企業や職種の特徴、自分の経験や関心との接点をつなげて考えましょう。

たとえば、「幅広い製品を扱っている点に魅力を感じました」だけで終わらせず、「研究で複数の条件を比較しながら改善することに面白さを感じたため、さまざまな製品開発に関われる環境に関心を持った」と説明します。

自己分析で価値観や将来像を考えておくことが、志望動機の説得力につながります。

研究内容は、専門外の人にも伝わる形にする

理系の面接では、研究内容について聞かれることがあります。

技術面接では詳しい手法や考え方を聞かれることもありますが、人事担当者が同じ専門分野に詳しいとは限りません。

最初は、何を研究しているのか、なぜその研究が必要なのか、どのような課題があり、自分は何を担当しているのか、どのような工夫をしているのかという順番で説明しましょう。

専門用語や細かな実験条件は、質問された後で補足します。成果がまだ出ていない場合でも、現在の課題、試したこと、次に行おうとしていることを説明できます。

一度は声に出して確認する

頭の中で答えを考えただけでは、実際に話したときの長さや分かりにくさまでは確認できません。

面接前には、自己紹介、ガクチカ、志望動機、研究内容を一度は声に出してみましょう。

スマートフォンなどで録音すると、結論を最初に伝えているか、背景説明が長くなっていないか、専門用語が多すぎないか、同じ内容を繰り返していないか、ESと違う説明になっていないかを確認できます。

現在の状況に合わせて、取り組む順番を変える

選考対策は、就活の進み具合によって優先する内容が変わります。

現在の状況優先すること
就活を始めたばかり二つの目的に分けて自己分析を進める
ESの提出が近い経験・強み・志望理由をESへまとめる
Webテストが近い受検形式を確認し、必要な問題を解く
面接が近い提出したESの深掘りと発話練習を行う
複数の選考が重なっている締め切りと選考日から準備の順番を決める
ESと面接の両方が準備不足共通する材料から短期間で整える
面接で実際にうまく話せない受け答えで崩れている部分を見直す

就活を始めたばかりであれば、自己分析にある程度時間を使う意味があります。長所、短所、経験、価値観、将来像、就活の軸を整理しておけば、その後のESや面接を進めやすくなります。

一方、ESの締め切りや面接日が迫っている場合は、自己分析を続けるだけで止まらず、直近の選考で使う内容へまとめる必要があります。

ESと面接が同時に迫っている場合はES・面接の短期対策、すでに面接で言葉に詰まるなどの問題が起きている場合は出遅れた人の面接対策を確認してください。

まとめ|選考ごとの目的を理解し、必要な対策へ進もう

就活の選考には、書類選考、能力検査、性格検査、面接があり、それぞれ確認されることや対策方法が異なります。

書類選考と面接の土台になるのは自己分析です。自分を企業へ伝えるための長所・短所・経験だけでなく、企業や職種を選ぶための価値観・将来像・就活の軸も整理しておきましょう。

書類選考では、自己分析した内容を自己PR、ガクチカ、志望動機へつなげます。また、ESの文章だけでなく、挑戦する企業へ応募先を偏らせないことも大切です。

能力検査では、志望企業の受検形式を確認し、必要な形式と苦手分野を優先して練習します。性格検査では、良く見える回答を作り込むのではなく、普段の自分に近い答えを選びます。

面接では、自己分析とESで整理した内容を、深掘りされても自分の言葉で説明できるようにします。

選考ごとの目的を理解し、今の自分に必要な準備から順番に進めていきましょう。

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